大相撲の力士たちの「まわしは洗わない」って本当!?なぜ?お手入れはどうしてるの?
相撲界の衝撃の常識「まわしは洗わない」!?
4月13日(月)、新型コロナウイルス流行により外出自粛が強化され、暗い空気が漂う日本を元気にするような映画『シコふんじゃった(1992年/監督・脚本 周防正行)』がBSプレミアムにて放送されました。
劇中では竹中直人演じる青木の「『ふんどし』じゃない!『まわし』だ!」というセリフと並び、こんな相撲界の衝撃の事実が語られました。
「まわしは洗わない」
実はこれ、映画の中だけではなく、実際に相撲界での「常識」だったってご存知ですか?
どうしてまわしは洗わないの?
激しい相撲の取組で相当汗まみれ・土まみれになっているはずなのに、なぜまわしは洗わないのでしょうか?
その理由は単純で「洗濯できない素材でできているから」です。関取が本場所で締める「締込」と呼ばれるまわしは、博多織や西陣織などの高級な絹織物でできています。
金額にすると、1本なんと70万円〜100万円はします!
これらの素材は洗濯をすることで生地が弱くなり、まわしとしての役割が果たせなくなってしまうのです。また「水に流さない」というゲン担ぎの意味もあり、引退するまで一度も洗濯しないのが普通です。
締込よりもさらに豪華で、緻密な模様の刺繍まで施されている「化粧まわし」が洗濯できないのは、もはや言うまでもないでしょう。
まわしのお手入れはどうしてるの?
しかし、いくら高級素材で洗濯ができなくても、汚れたまわしをそのままにしておくのはさすがに不潔ですよね。だから力士たちのまわしは、それなりにきちんと「お手入れ」されています。
基本的には、建物の屋上などの高いところからぶら下げて干して汗を乾かし、部分的にアルコール消毒をすることもあります。
また稽古用のまわしは「雲斎木綿」という木綿でできていて、関取は白いまま、幕下以下の力士は黒く染めたものを使用しています。
こちらは関取の締込よりさらに汚れますが、昔は
「まわしを洗うのは師匠が亡くなったときだけ」
とされていて、汚れたら捨てて新しいものと交換していたそうです。
現代でも部屋によってはこれを守っているところもあるかも知れませんが、実際はちゃんと洗っているようです。
といっても洗濯機などで洗うのではなく、デッキブラシでこすって洗うのだそうです(!)
【参考】
『力士の世界』33代木村庄之助/角川ソフィア文庫力士のまわし、引退するまで一度も洗濯しないってホント?力士は”まわし”を洗わないってホント!?相撲観戦が楽しくなる”まわし”の秘密東北学院大学相撲部奮闘記