AFX通信によると、対中貿易赤字の拡大に対抗するための報復関税法案を検討していた2人の米上院議員は、1週間におよぶ訪中時に関係方面との協議した結果、中国側も柔軟な為替相場の必要性を認識し、改革に努力しているとの判断から、月末にも予定していた同法案の採決を9月まで先送りする方針に決めた。中国訪問から帰国したチャック・シューマー議員(民主党・ニューヨーク州選出)とリンゼー・グラム議員(共和党・サウスカロライナ州選出)が28日に行われたスノー財務長官との会談後の記者会見で明らかにした。

  同法案は、中国が事実上固定している人民元の対ドル相場を見直さない限り、米国は中国の輸入製品に対して一律27.5%の関税を課すもの。今週末31日に上院での採決が予定されていた。ただ、中国側による為替相場の改革がみられなければ、9月にも採決にかける。法案をめぐっては、ブッシュ政権が報復合戦に転じる可能性があるとして反対の立場で、スノー財務長官は中国側の改革について、進捗具合が遅いとしながらも一定の理解を示している。 【了】