CBS MarketWatchによると、米自動車最大手GM（ゼネラル・モーターズ）は28日、会計上の誤りがあったとして、金融子会社GMACの2003年から2005年第3四半期までの決算内容を修正すると発表した。

　　この決算修正は、GMACの住宅ローン子会社RC(レジデンシャル・キャピタル)が保有する住宅ローン債権の一部の記載について、キャッシュフロー上の分類を誤ったのを訂正するもので、この修正によって、同期間のGMとGMACの連結利益を始め、貸借対照表や純キャッシュフロー（現金収支）への影響はなく、GMの自動車事業キャッシュフローにも影響は出ない見通し。

　　GMはGMACの株式を売却することにより、経営再建のための資金調達を行う予定だが、市場では今回の決算修正がGMAC売却に与える影響は軽微との見方がある。バーナム証券のアナリスト、デビッド・ヒーリー氏は、「これは軽微な経理上の修正にすぎず、GMの名前が取り上げられたことで話題になっただけだ」と述べ、GMACの売却前に同修正が行われることで、同社の売却に向け、逆に弾みがついたとの見方を示した。

　　また、GMは提出が遅れていた米SEC（証券取引委員会）への2005年の年次報告書を提出した。それによると、同社の連結最終赤字は1月に発表した86億ドル（約1兆0130億円）を20億ドル上回る106億ドル（約1兆2500億円）となった。

　　GMの株価はニューヨーク市場で28日、前日比0.78％安の22.75ドルで引けた。【了】