「かたす」という言葉は、関西人には通じない――。

そんなメールが読者から届いた。「かたす」とは、片付けるという意味の言葉だが、調べてみると東日本の方言らしい。

兵庫県で生まれ、神奈川県の小学校に通った筆者は、「かたす」を何の違和感もなく使用していたが、実は兵庫県の友人たちに「こいつ何を言っているんだ?」と不審に思われていたのだろうか...。ショックである。

事の真相を突き止めるため、Jタウンネットでは2019年10月22日〜20年3月30の期間、「かたすの意味、知っていましたか?」をテーマにアンケートを実施。本当に関西では「かたす」が通じないのかを調査した。

投票総数は1257票。はたして、その結果は――。

全体の8割以上が「知っている」

全国の結果を見ると、「聞いたことも使ったこともある」が54.3%、「使ったことはないが、聞いたこともあって意味も知っている」が28.6%。つまり、約83%の読者が「かたす」の意味を知っていた。

一方、「聞いたことはあるが、意味は知らなかった」は3.8%、「全く知らなかった」は13.2%で、意味を知らなかったのは全体の17%だった。

では、地域によって差はあるのか。

都道府県ごとに意味を知っている人の割合を出し、色分けした地図がこちらだ。



多くの都道府県で、半数以上の人が「かたす」の意味を知っていた。そして、確かに西側のほうが意味を知っている人の割合は少ないようだ。

知っている人の割合が50%以下だったのは、福井(42.9%)、三重(50%)、京都(50%)、香川(50%)、徳島(50%)、佐賀(50%)、宮崎(50%)、沖縄(50%)の8府県のみ。いずれも西日本だ。ここで「かたす」を使うと「何言ってるの?」と思われてしまう可能性があるだろう。

岐阜(66.6%)・滋賀(66.7%)・大阪(69.6%)・兵庫(70.6%)の4府県でも比較的認知度が低い。それでも、7割近くの人には通じるようだ。筆者の友人も、分かってくれていると良いのだが。

ちなみに、意味を知っているだけでなく、使ったこともある人の割合で、地図を塗り分けたのがこちら。



意味がわかる人は全国に多くいるが、実際に使うのは一部の人のようだ。

東日本の方言だというだけあって、使用している人は東側、特に関東地方周辺に多い。

山梨では100%、埼玉では92.9%の読者が「聞いたことも使ったこともある」と答えていた。