4月になり街にはシワがついていないスーツを着た新社会人が歩いている。みな期待と不安で胸がいっぱいだろう。

そんな中、ツイッターで注目を集めているのが、新卒が会社で心得ておくべきことをコミカルなタッチで表現した4コマ漫画である。


1コマ目(画像はほくろ(@hokuro_90)さんから)

作者はツイッターユーザーのほくろさん。タイトルは「新卒にささげる歌」である。ジャカジャカとギターを弾きながら、「俺はお前たちを守りたい」と歌で新卒へメッセージを送るところから漫画は始まる。

「4月1日からの就業に怯える新社会人共これだけは覚えとけ」とツイッターでつぶやく、ほくろさん。さっそく続きを見ていこう。


2コマ目

新人だから、雑務をしなければいけないわけではないだろう。荷物は持てる人が持てばいいし、ウォーターサーバーだって気づいた人が替えればいいのだ。


3コマ目

働き始めは、出社するだけでも偉いのだ。初めての会社に加えて慣れない場所である。少し早めに出社したり、メモを取ったり...。これだけで一生懸命頑張っていると言えるのだ。


4コマ目

最後のコマで、「絶対に無理はするな」と涙ながらに歌うギター弾き。「ああ新卒」と繰り返しながら、

「楽しそうに出社してくれ」

と思いを歌にして表現している。こちらの4コマ漫画は2020年3月31日に投稿され、いいねは2万8000件を超えている(4月1日17時時点)。漫画を見たユーザーは、ほくろさんの投稿に、

「新卒で今日から初めての仕事です。すごく気持ちがかるくなりました。本当にありがとうございます」
「心が軽くなりました...ありがとうございます...精一杯頑張ります...ありがとうございます」
「ありがとうございます。新卒の親です。涙ぐんでおります」

といった反応を寄せている。

「気持ちを軽くしてもらえたら」

ほくろさんは、どうしてこの漫画を書いたのだろうか。Jタウンネットは1日、彼女に取材した。

ほくろさんは漫画を描いたきっかけを次のように話す。

「新卒がすごく気をつかって日々業務しているのを肌で感じていました。『無理しなくていいんだよ』という気持ちをなんとか伝えたいと思い描きました。言葉で伝えると、逆に圧をかけているようになってしまうので...。ちょっと笑える感じで気持ちを軽くしてもらえたらな...というところがマンガにしたきっかけです」

漫画にあるような、ウォーターサーバーを替えたり、荷物をもったりしている女性は、自分自身が経験したことなのだろうか。

「私も1年目の時は率先してマンガに描いたようなことを行っていたのですが、自分が上の立場になって客観的に新卒の姿を見た時に『全然そんなことしなくていいんだよ...!!!』という気持ちになりました。

気を使ったり細かい気づきが必要な業務をするのは、その場に慣れた人のすることです。出社して新しいことを覚えようという気持ちでいっぱいの新人さんは無理してする必要はないし、それをやっていないからと責めたりする風習もなくなってほしいです」

漫画は時間が経つにつれてリツイート数やいいねの数が増えている。それほど共感したり勇気を貰ったという人が多いのだろう。多くの反響があったことについて、ほくろさんは最後にこう述べた。

「少しでも気持ちが軽くなっていただけていたならば幸いです!マンガは新人さん向けに描いていますが、これをみた先輩さんたちも新人さんが気を使っているのを感じたら『そんなことはみんなでやればいいんだよ〜〜!!』という空気をだしてあげてほしいです!」

誰でも最初は新人なのだ。新人はワクワクした気持ちで仕事をし、先輩はそれを優しく見守ることが大切なのだろう。