東京都内における自転車のルールが、あと数日で大きく変わること、みなさまはご存知だろうか。

実は2020年4月1日から、「自転車保険」への加入が義務になるのだ。これまでは努力義務だったが、今後は未加入の状態だと条例違反となる。対象は東京都民だけではなく、都内で自転車を走行するすべての人だ。



義務化を知っている人は半数以下

自転車保険とは、自転車で事故を起こした際の損害賠償に備える保険や共済のことだ。

加入の義務化は、19年9月に改正された「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」の施行に伴うもの。つまり、半年以上前から決まっていたことなのだが――はたして、どれだけの都民が義務化を知っているのだろうか。

au損保(東京・港区)が実施したアンケート調査では、東京在住で月に一度以上自転車を運転する20〜50代の男女1000人のうち、自転車保険の加入義務化を「知っている」と答えたのは472人だった。

この調査を実施したのは20年3月10〜12日のこと。つまり、義務化まで1か月を切ったタイミングでも、半数以上がその事実を知らなかったということだ。

実際の加入率はどうなのだろうか。

先ほどの調査によれば、「自転車保険に加入している」と答えた人は32.7%、「自転車保険には加入していないが、他の保険でカバーしている」と答えた人が19.9%で、あわせて52.6%。逆に言えば、47.4%が未加入という結果だ。



3月26日、東京都の都民安全推進本部・交通安全課の担当者に聞くと、4月以降に自転車保険に未加入だからといって、何らかの罰則を受けることはないという。ただ、担当者は、

「条例違反であることは間違いありません。加えて、もし事故を起こしてしまった場合、ケースバイケースではありますが、保険未加入だと運転者の悪質性が高いと判断される可能性もあります。ご自身を守るという意味でも、ぜひ加入していただければ」

と話していた。