東出昌大、「この日しかなかった謝罪会見」で大きなミスを放つ
東出昌大は、黒のスーツ、黒のインナーという、黒ずくめの姿で現れた。やつれた表情で、痩せたせいか、スーツがダブついた印象だ。
立ち位置に止まると、「このたびは、お仕事の関係者の皆さまに多大なるご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありませんでした。本来、このたびの件におきまして、最も謝罪しなければならないのは妻に対してだと思っております。妻には直接、謝罪の気持ちを伝えて参りたいと思います。いろいろなお仕事の関係からこのような機会を設けることが遅くなりました。今日、カメラの前で私が何かを発言することによって、これ以上、妻を傷つけたくありません。ですので、お答えできることには限りがあると思いますが、よろしくお願いいたします」と落ち着いた声で一気に話して、深々と頭を下げた。
東出は3月17日、映画『三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実』のトークイベントに出席後、一人で囲み取材に応じた。女優・唐田えりかとの不倫が原因で、妻・杏との別居が報じられてから約2カ月たつが、東出が公の場に出るのは初めてだ。
大事なことは、東出にとって、謝罪の場はこの日しかなかったこと。
ドラマ『ケイジとケンジ 所轄と地検の24時』(テレビ朝日系)の撮影が10日未明に終了したが、撮影中は出演者に迷惑がかかるということで、コメントさえ出せなかった。
さらに、東出が出演している映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』(5月1日公開)のキャンペーンがまもなく始まる。ヒット映画のキャンペーンにマスコミが押しかけたら、映画の宣伝が台無しになってしまう。だから、その前に解決してほしいとプレッシャーがかかっていたのだ。かといって、わざわざ会見を設けたら仰々しくなる。ベストタイミングが、映画のトークイベントだったわけだ。
おそらく、言えること、言ってはいけないことなど、想定問答を頭に叩き込んで会見に臨んだはずだ。だからこそ「これ以上、妻を傷つけたくないので、お答えできることには限りがある」と前置きし、慎重に言葉を選んでいた。
東出は、時には涙ぐみ、時には声が震え、口を真一文字にし、天を仰ぎ、沈黙し苦悶の表情を浮かべた。
「(杏には)一生消えない傷を負わせてしまった。妻からも、子供たちからも、私の過ちからさまざまな幸せを奪ってしまった」と苦しい胸のうちを明かした。
唐田と別れたのかと質問すると「はい」と、すぐさま答えた。想定内の答えだ。
だが、続いて、大きなミスをしてしまう。波紋を呼んだ「杏さんと唐田さんのどちらが好きなんですか?」という質問の答えだ。
10秒ほどの沈黙のあと、東出は「申し訳ございませんが、お相手のこともありますし、また、私の心のうちを今しゃべることは妻を傷つけることになると思いますので、申し上げられない」と答えた。
東出は、なぜ、こう答えたのか? 「妻を傷つける」ということは、ストレートに取れば、唐田が好きということだ。だが、そうではないはず。復縁を願っている東出にとって、杏の了解なく自分の思いを話すわけにはいかないという思いが強すぎたのだろう。言葉を慎重に選びすぎた結果、言葉足らずの表現になったとしか思えない。
しかし、これは大きなミスだった。現実的に唐田を選ぶことはないにせよ、いかにも優柔不断なイメージが拡散してしまった。この失敗が、決定的な離婚へのカウントダウンになりかねない。
東出の囲み会見の翌日、杏が弁護士を立てると報じられた。話し合いは始まったばかりなのに、東出の一言がさらなる混迷を招きそうだ。(取材・文/芸能レポーター川内天子)