せめて子どもは虫歯ゼロに。歯みがき嫌いが大人になった結果…
歯の健康のためには毎日の歯みがきが欠かせないものですが、歯みがきが苦手なお子さんは多いかもしれませんね。
自閉症スペクトラムの6歳の娘「サンちゃん」の日常を描いたコミックエッセイ『つま先立ちのサンちゃん』
を上梓した漫画家のたなかれもんさん。子どもにはしっかり歯みがきを指導しています。その強い理由は、ご自身の過去にあるそうで…。
みなさん、自分の顔の中に好きじゃない部分はありますか? わたしはあります。いろいろありますが、今回は「歯」の話をします。
わたしの歯は、黄色いのです。その歯を隠すため、なるべく歯を見せないように微笑んだり、口元を手で隠したりしてしまいます。
歯を他人に見せない癖がついてしまいました
10代の頃は、そんなに隠したいと思うほど気にはしていなかったのですが、20代前半のある日、駅前でアンケートに答えたときのこと…。
「失礼な!」という気持ちとともに、グサッとなにかが胸に突き刺さったようでした。
「こんな一瞬の出会いで目がいくほど気になるものなのか…やっぱり自分の歯、黄色いんだ…人に言われるとショックだな…」
笑ったときに歯を隠すようになったのは、たぶんその頃からです。今ではもう癖になっていて無意識にやっています。
何気ない言葉ほど意外と心に残るものですね。
さて、それからずいぶん経ちますが、わたしの歯の色は変わっていません。
芸能人は歯が命と言いますが(?)、まぁわたしは一般人だし、虫歯にならなければ、とりあえずいいです。
●子どもの頃からコーヒー好き、歯みがき嫌い
それにしても、なぜ自分の歯は黄色いのか…思い当たることが2つあります。
(1) 子どもの頃からコーヒーが好き
母がコーヒーをよく飲むので、家族全員同じように飲んでいました。
薄めのコーヒーに牛乳多めでしたが、1日1回は必ず飲んでいたと思います。
コーヒーは今でもよく飲みます。カフェラテが好きです。
妊娠中や授乳中はノンカフェインのコーヒーを探して飲んでいました。
(2) 子どもの頃、歯みがきが嫌いだった
たぶん数日に1回程度しかまともにみがいていなかったと思います。
母も強引にみがかせようとはしませんでした。
夜お風呂から出て、テレビを見て、眠くなってきた頃に歯みがき…それが嫌いだったので、歯をみがく感覚が嫌いというより、歯をみがくことで少し目が覚める感じが好きじゃなかったように思います。
お風呂上がりにすぐ歯をみがく習慣をつければよかったかもしれませんね。
●虫歯の治療にこりてようやく歯みがきが習慣化
そんな中、当時通っていた保育園で、「歯みがきをしたらシールをはる」という、すごろくのようにスタートからゴールまで日数が書かれたカレンダーが配られました。
その期間が終わったら園に提出するという歯みがき推進企画。
もちろん歯みがきをしないわたしはシールをはることができません。
母は、「歯みがきしとらんでもシールはっときゃいいやん」と言いましたが、わたしは「歯みがきをしてないところにシールをはるなんてできない…でもはってないポスターを提出するのも恥ずかしくてできない…」と思って、持って行ったカレンダーをなかなか出せずにいました。
こういうとき、ただ黙り込んだり、泣き出してしまう子どもだったので、きっと先生を困らせたことでしょう。
結局、数マスおきに点々とシールがはってあるカレンダーを、もじもじしながら提出しました。
それでもなお歯みがきをしなかったわたしは「よく虫歯になる子」でした。
歯医者さんは大嫌いで、虫歯の治療をするときは大暴れ。たくさんの大人におさえられて治療を受けたこともありました。
そんなわたしも、小学生になってからは虫歯の治療にこりて徐々に歯をみがくようになったようです。おかげで、その後虫歯になることはほとんどなくなりましたが、わたしのくちの奥では上下左右で「銀歯」がキラリ。
大人になってから一度だけ虫歯ができたのですが、その「銀歯」の中の1つでした。
そのときの治療の痛みはお産の痛みより強く記憶に残っています…ゾッ。
●自分を反面教師に。子どもたちの歯は守りたい
虫歯にはなっていなくても、ストレスで痛むこともありますし、子どもの頃から歯を大切にしておけばよかったなぁと思うことはあります。
というわけで、わが子にはこんな思いをさせるまい…と、今は子どもたちの歯を守るべく、「毎日歯をみがくこと」を習慣づけています。
幸い、子どもたちは歯ブラシの感覚を嫌がることもなく、むしろ刺激を楽しんで受け入れてくれています。まだ仕上げみがきが欠かせませんが、今ではテレビでお友だちが歯みがきするのをマネして、ぶくぶくうがいもできるようになりました。
気まぐれに「ぺー」をする娘は、先日ついに前歯が1本抜けました。
わたしと違い、子どもたちは虫歯になったことがないので、きちんと歯みがきを続けて、これから生えてくる大人の歯も白く健康に保っていってもらいたいと思います。
【たなかれもんさん】
漫画家。6歳のサンちゃん(長女)、4歳のワッくん(長男)、お父さんの4人暮らし。目立ちたがり屋のあがり性。「cakes」で不定期連載中。初めての著書『つま先立ちのサンちゃん』
(扶桑社刊)が発売中
自閉症スペクトラムの6歳の娘「サンちゃん」の日常を描いたコミックエッセイ『つま先立ちのサンちゃん』
を上梓した漫画家のたなかれもんさん。子どもにはしっかり歯みがきを指導しています。その強い理由は、ご自身の過去にあるそうで…。
大人になってから痛いほど痛感した歯の大切さ
みなさん、自分の顔の中に好きじゃない部分はありますか? わたしはあります。いろいろありますが、今回は「歯」の話をします。
わたしの歯は、黄色いのです。その歯を隠すため、なるべく歯を見せないように微笑んだり、口元を手で隠したりしてしまいます。
歯を他人に見せない癖がついてしまいました
10代の頃は、そんなに隠したいと思うほど気にはしていなかったのですが、20代前半のある日、駅前でアンケートに答えたときのこと…。
「失礼な!」という気持ちとともに、グサッとなにかが胸に突き刺さったようでした。
「こんな一瞬の出会いで目がいくほど気になるものなのか…やっぱり自分の歯、黄色いんだ…人に言われるとショックだな…」
笑ったときに歯を隠すようになったのは、たぶんその頃からです。今ではもう癖になっていて無意識にやっています。
何気ない言葉ほど意外と心に残るものですね。
さて、それからずいぶん経ちますが、わたしの歯の色は変わっていません。
芸能人は歯が命と言いますが(?)、まぁわたしは一般人だし、虫歯にならなければ、とりあえずいいです。
●子どもの頃からコーヒー好き、歯みがき嫌い
それにしても、なぜ自分の歯は黄色いのか…思い当たることが2つあります。
(1) 子どもの頃からコーヒーが好き
母がコーヒーをよく飲むので、家族全員同じように飲んでいました。
薄めのコーヒーに牛乳多めでしたが、1日1回は必ず飲んでいたと思います。
コーヒーは今でもよく飲みます。カフェラテが好きです。
妊娠中や授乳中はノンカフェインのコーヒーを探して飲んでいました。
(2) 子どもの頃、歯みがきが嫌いだった
たぶん数日に1回程度しかまともにみがいていなかったと思います。
母も強引にみがかせようとはしませんでした。
夜お風呂から出て、テレビを見て、眠くなってきた頃に歯みがき…それが嫌いだったので、歯をみがく感覚が嫌いというより、歯をみがくことで少し目が覚める感じが好きじゃなかったように思います。
お風呂上がりにすぐ歯をみがく習慣をつければよかったかもしれませんね。
●虫歯の治療にこりてようやく歯みがきが習慣化
そんな中、当時通っていた保育園で、「歯みがきをしたらシールをはる」という、すごろくのようにスタートからゴールまで日数が書かれたカレンダーが配られました。
その期間が終わったら園に提出するという歯みがき推進企画。
もちろん歯みがきをしないわたしはシールをはることができません。
母は、「歯みがきしとらんでもシールはっときゃいいやん」と言いましたが、わたしは「歯みがきをしてないところにシールをはるなんてできない…でもはってないポスターを提出するのも恥ずかしくてできない…」と思って、持って行ったカレンダーをなかなか出せずにいました。
こういうとき、ただ黙り込んだり、泣き出してしまう子どもだったので、きっと先生を困らせたことでしょう。
結局、数マスおきに点々とシールがはってあるカレンダーを、もじもじしながら提出しました。
それでもなお歯みがきをしなかったわたしは「よく虫歯になる子」でした。
歯医者さんは大嫌いで、虫歯の治療をするときは大暴れ。たくさんの大人におさえられて治療を受けたこともありました。
そんなわたしも、小学生になってからは虫歯の治療にこりて徐々に歯をみがくようになったようです。おかげで、その後虫歯になることはほとんどなくなりましたが、わたしのくちの奥では上下左右で「銀歯」がキラリ。
大人になってから一度だけ虫歯ができたのですが、その「銀歯」の中の1つでした。
そのときの治療の痛みはお産の痛みより強く記憶に残っています…ゾッ。
●自分を反面教師に。子どもたちの歯は守りたい
虫歯にはなっていなくても、ストレスで痛むこともありますし、子どもの頃から歯を大切にしておけばよかったなぁと思うことはあります。
というわけで、わが子にはこんな思いをさせるまい…と、今は子どもたちの歯を守るべく、「毎日歯をみがくこと」を習慣づけています。
幸い、子どもたちは歯ブラシの感覚を嫌がることもなく、むしろ刺激を楽しんで受け入れてくれています。まだ仕上げみがきが欠かせませんが、今ではテレビでお友だちが歯みがきするのをマネして、ぶくぶくうがいもできるようになりました。
気まぐれに「ぺー」をする娘は、先日ついに前歯が1本抜けました。
わたしと違い、子どもたちは虫歯になったことがないので、きちんと歯みがきを続けて、これから生えてくる大人の歯も白く健康に保っていってもらいたいと思います。
【たなかれもんさん】
漫画家。6歳のサンちゃん(長女)、4歳のワッくん(長男)、お父さんの4人暮らし。目立ちたがり屋のあがり性。「cakes」で不定期連載中。初めての著書『つま先立ちのサンちゃん』
(扶桑社刊)が発売中