新型コロナウイルス感染拡大防止のため、全国で休校が相次いでいます。そこで悩ましいのが、毎日の昼食。

子供向け料理教室を主宰し、小5と小2の男の子がいる食育インストラクターの和田順子さんは、子どもたちに昼食づくりをまかせていると言います。うまくいくコツを教えてもらいました。


子どもに昼食をつくってもらうコツ

小学生の男子2人でも大丈夫!子どもが楽しく料理をしてくれる秘訣



私の住む札幌市は、2月28日から休校となりました。エネルギーのかたまりである小学生がただ家にいるだけで、大したことはなにもしていないのに、ぐったり疲れる毎日。
とくに気が重いのが昼ごはんです。毎日給食を出してくれる学校に、もはや足を向けては寝られない心境。

外食もはばかられるけれど、とはいえ毎日家でつくるなんて地獄…。そう思い、小5と小2の男の子がいるわが家では、休校初日から毎日昼食を自分たちでつくってもらっています。自分たちで率先して楽しく取り組んでもらうための秘訣を、子供向け料理教室を主宰する私からお伝えします。

●メニューは「ゆるく」献立表通りに


まずメニューですが、イチから考えることこそが負担。なので、学校で配られた献立表どおりにつくってもらうことにしました。給食は子どもが食べやすいようなメニューであると同時に、旬の食材も多く使用しているので、家に常備している食材を使えることが多いというメリットがあります。


「シシャモの唐揚げ」など、子どもがつくるにはハードルの高いものは削除。この日のメニューは「豆とひき肉のカレー」でしたが、豆がなかったのでひき肉でふつうのカレーに変更するなど、ゆるく実行しています。

●ルールは明確に。あとはまかせる!


わが家では「私がいないときに火は使わない」というルールだけを設け、あとはすべてをまかせています。たいていのメニューはつくったことのないものなので、自分たちでレシピを調べさせ、それを見ながらつくってもらいます。

子どもたちには「包丁・火の取り扱い方」「大さじ・小さじの計り方やスケールの使い方」をアドバイスすれば、たいていのことはどうにかなると思います。


ただ、ふだんひんぱんに料理をしているわけではないので、親から見ると斬新な調理法の数々! 口を挟みたいことだらけなのですが、ここはひとつ我慢です。
まかせれば子どもたちは自分で考えてやり始めます。そして「自分でできた!」は「おいしい! 楽しい!」に直結し、残さず食べてくれるだけでなく、また翌日もがんばろうと思ってもらえます。

●親は「おいしい!」と食べる係


子どもたちがつくってくれた料理は、私ももちろん食べるのですが、おいしさ・うれしさ・感謝をきちんと伝えることを心がけています。味が薄かったときは「薄かったけど、火のとおりがばっちり」など必ずいいところも添えて。だって毎日続けてほしいですから。
●洗いものまでお願いする

つくっておしまい、とはならないのが日々の料理。洗い物ももちろん担当してもらいます。

●料理の時間を1日のスケジュールに組み込む


わが家は休校初日から、学校のように時間割を決めて生活してもらっています。3時間目は家庭科・生活の時間=昼食づくり。毎日のスケジュールに組み込むことで、11時になれば当然のように昼食づくりが始まるので、嫌がらずに(というかなにも疑問に感じていないかもしれません)続けてくれています。

また料理に1時間たっぷり時間を取ることで、自分たちのペースで料理に取り組むことができています。

●買い物は親が担当

子どもたちは外出を控えなければいけないので、買い物は私が担当しています。またひとりで出るこの時間が、私の息抜きにもなっています。


まったく料理をしたことがないお子さんの場合、最初のうちは親がつきっきりにならないといけないかもしれません。でも何度か教えれば慣れてくれるもの。
また料理全般が難しくても「お米を研ぐ」「汁物の具だけ切る」など、部分的にできることもあると思います。親と一緒に台所に立つだけで学べることも多く、普段はしないような会話も生まれるかもしれません。

せっかく時間だけはたっぷりある休校。外に出られない=家でじっくり子どもと向き合う時間が取れる、と考えて、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

●教えてくれた人
【和田順子さん】


会社勤務を経て、野菜ソムリエ、薬膳インストラクター、食育インストラクター、全国2人目のサルベージ・プロデューサーの資格を取得。札幌で食育教室「good food, good life」
を主宰。ブログ「good room, good life」
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