コンパクトでFeliCa搭載、「Rakuten Mini」は最強のキャッシュレス端末だ
携帯電話事業に新規参入する楽天モバイルが打ち出したオリジナルスマートフォン「Rakuten Mini」は、一括払い時の価格が税込み2万1800円と低価格で、なおかつ非常にコンパクトなサイズでありながら、FeliCaに対応しておサイフケータイが利用できるなど、充実した機能を持つ意欲作です。しばらく使ってみた印象をレビューしてみたいと思います。
ボディはとてもコンパクト、ストラップ穴も
Rakuten Miniの大きな特徴は、やはりそのサイズ感です。ディスプレイサイズは3.6インチで、サイズはW53.4×H106.2×D8.6mm、約79gと、最近のスマートフォンとしては群を抜く小ささです。
実際、手元にあったアップルの「iPhone XS」と比べてみると、その小ささが良く分かります。シャツの胸ポケットなどにもらくらく収まるなど、収納場所を選ばないのは大きなメリットといえますが、一方で小ささのあまりうっかり落としてしまいやすいのも確かです。
そうしたことを理解してなのか、Rakuten Miniはストラップホールが標準で用意されており、ケースなどを装着しなくてもストラップを付けられるようになっています。持ち歩く際には、ストラップホールに何かしらのストラップを付けて、落下防止対策をした方がよいでしょう。
ボディは安っぽさを感じさせない作りとなっており、税込みで2万1800円という価格を考えればかなり頑張っている印象です。デザインのイメージとしては、ソニーモバイルコミュニケーションズがかつて提供していた「Xperia Z」シリーズをそのまま小さくしたような感じ、といえば分かりやすいでしょうか。
小ささゆえにメイン用途としては不向き
非常にコンパクトなRakuten Miniですが、それだけに利用用途に向き不向きがあるのも確かです。先にも触れた通り、ディスプレイは3.6インチで、解像度もHD画質(1280×720ドット)と表示品質は高いとはいえません。
もちろん、文字入力がしやすくなるよう、ボタンが大きい「iWnn」を採用するなどの工夫はなされていますが、それでもやはり画面サイズが小さいことは事実。テキストを頻繁に入力するSNSや、YouTubeなどの動画、Webなどの閲覧にはあまり向いていないといえるでしょう。
チップセットはクアルコムの「Snapdragon 439」と、国内のミドルクラスのスマートフォンで一般的な「Snapdragon 6xx」シリーズより性能は落ちるため、最新の3Dゲームのプレイはやや厳しいでしょう。RAMは3GBですが、ストレージは32GBでmicroSDスロットも備えていないことから、写真や動画を大量に保存しておくのも不向きです。
カメラの性能を見ても、メインカメラは1600万画素のシングルカメラ、フロントカメラも500万画素と、ミドルクラスとして大きな不足はない機能・性能といえます。ですが、ミドルクラスでもデュアル・トリプルカメラが当たり前になるなど、カメラ性能の充実が進んだ最近のスマートフォンと比べると、やはり見劣りする感は否めません。
ちなみに、フロントカメラは顔認証にも活用しています。あくまでロック解除用なのでセキュリティは高くなく、認識速度もあまり早いとはいえませんが、そこそこ暗い場所でも意外と認識してくれました。
FeliCa搭載、スマホ決済の対応の幅は最強クラス
ここまで触れてきた通り、Rakuten Miniはやはりサイズ的な制約があるだけに、メインで使うスマートフォンではないという印象を受けます。ですが一方で、サブ用途のスマートフォンとして見ると非常に優秀であると感じるのも事実です。
特に優れていると感じたのが、キャッシュレス決済対応の幅広さです。Rakuten Miniはスマートフォンなので、「楽天Pay」などのQRコード決済が利用できるのはもちろんなのですが、非常に大きなポイントになるのはNFC、特にFeliCaに対応していることです。
FeliCaへの対応によって「おサイフケータイ」の利用が可能になり、「モバイルSuica」「楽天Edy」など、主要な電子マネーサービスの利用が可能。さらにNFCにも対応していることから、「Google Pay」のアプリをインストールすることで、Visaブランドのクレジットカードやデビットカードによるタッチ決済も利用可能です。
それゆえ、例えばiPhoneとRakuten Miniを2台持ちすれば、iPhoneの「Apple Pay」では利用できないSuica以外の電子マネーや、Visaのタッチ決済も使えるようになります。小さく安いRakuten Miniを1つ追加するだけで、キャッシュレス決済を全方位でカバーできてしまうのですから、キャッシュレスにこだわる人には魅力的といえるのではないでしょうか。
楽天のプランを考慮すると、テザリング用端末としても魅力的
そして、もう1つの魅力はテザリングです。Rakuten Miniは、キーホルダーにぶら下げるには少々大きいものの、財布よりは小さい程度のサイズなので、いつでもテザリングができるモバイルWi-Fiルーターとして持ち歩くのにも適しています。実際、Rakuten Miniはテザリングで利用されることを意識してか、ホームボタンにテザリングのON/OFFができるボタンが設置できるようになっています。
なお、楽天モバイルは3月3日に、本格サービスに向けた料金プラン「Rakuten UN-LIMIT」を発表。楽天モバイルのエリア内であれば、月額2,980円でデータ通信し放題になることを表明しました。楽天モバイルのエリアかどうかを気にする必要はありますが、メインのスマートフォンでは携帯電話大手の安価な料金プランを契約し、普段の通信はRakuten Miniのテザリングを積極活用して料金を抑える……といった使い方も有効でしょう。
また、楽天モバイルの大容量データ通信を生かして、「Spotify」などのストリーミング音楽プレーヤーとして活用するのも悪くないかもしれません。Rakuten Miniはイヤホン端子を備えていませんが、市販のワイヤレスイヤホンを使えば、そのコンパクトさを存分に生かせるのではないでしょうか。
eSIMとバッテリーには要注意
これはRakuten Miniに限ったことではないのですが、Rakuten Miniを楽天モバイルの回線で利用する場合は、「Rakuten Link」というコミュニケーションアプリ(3月3日時点ではベータ版)が利用できます。これは、携帯大手3社の「+メッセージ」と同じ「RCS」という技術を用いており、データ通信を用いたメッセージのやり取りや音声通話などができるものです。
筆者も何度か通話を試していますが、品質的に大きな問題はないと感じています。本格サービス開始以降も、Rakuten Link経由で通話すれば通話料はかからないとのことなので、通話用端末としても大いに活用したいところです。
なお、Rakuten Miniは通常のSIMスロットを備えておらず、本体内蔵型の「eSIM」を使用する形となります。国内でeSIM向けのサービスを提供しているのは、現在のところMVNOのIIJmioが「データ通信専用SIM eSIMプラン(ベータ版)」を提供しているぐらいで、非常に選択肢が少ない状況です。このことから、基本的には楽天モバイルで利用する端末と考えておいた方がよいでしょう。
とはいえ、最近では「GigSky」など、eSIMを活用した海外ローミング対応のサービスも出てきていることから、やや上級者向けではありますが、海外渡航時にeSIMを活用できることを知っておくと便利かもしれません。
ここまで触れてきたように、Rakuten Miniはそのサイズゆえ、普通のスマートフォンと同じ使い方には適しているとはいえません。ですが、スマートフォンではなく“道具”として捉えれば、とても活用しがいがある便利なデバイスだと感じました。筆者も、無料サポータープログラムの二次募集でRakuten Miniを入手していますが、現在ではテザリング兼キャッシュレス決済用端末として手放せない存在となっています。楽天モバイルのエリア内に住んでいる人であれば、本格サービス開始後も有効活用できることでしょう。
ただ、日常的に利用していて惜しいと感じるのは、やはりバッテリー容量が約1250mAhと少ないこと。本体サイズが小さいだけに仕方ない部分ではあるのですが、テザリングを1日中利用しているとバッテリーが切れてしまうこともあるので、運用が悩ましいところです。
ボディはとてもコンパクト、ストラップ穴も
Rakuten Miniの大きな特徴は、やはりそのサイズ感です。ディスプレイサイズは3.6インチで、サイズはW53.4×H106.2×D8.6mm、約79gと、最近のスマートフォンとしては群を抜く小ささです。
実際、手元にあったアップルの「iPhone XS」と比べてみると、その小ささが良く分かります。シャツの胸ポケットなどにもらくらく収まるなど、収納場所を選ばないのは大きなメリットといえますが、一方で小ささのあまりうっかり落としてしまいやすいのも確かです。
そうしたことを理解してなのか、Rakuten Miniはストラップホールが標準で用意されており、ケースなどを装着しなくてもストラップを付けられるようになっています。持ち歩く際には、ストラップホールに何かしらのストラップを付けて、落下防止対策をした方がよいでしょう。
ボディは安っぽさを感じさせない作りとなっており、税込みで2万1800円という価格を考えればかなり頑張っている印象です。デザインのイメージとしては、ソニーモバイルコミュニケーションズがかつて提供していた「Xperia Z」シリーズをそのまま小さくしたような感じ、といえば分かりやすいでしょうか。
小ささゆえにメイン用途としては不向き
非常にコンパクトなRakuten Miniですが、それだけに利用用途に向き不向きがあるのも確かです。先にも触れた通り、ディスプレイは3.6インチで、解像度もHD画質(1280×720ドット)と表示品質は高いとはいえません。
もちろん、文字入力がしやすくなるよう、ボタンが大きい「iWnn」を採用するなどの工夫はなされていますが、それでもやはり画面サイズが小さいことは事実。テキストを頻繁に入力するSNSや、YouTubeなどの動画、Webなどの閲覧にはあまり向いていないといえるでしょう。
チップセットはクアルコムの「Snapdragon 439」と、国内のミドルクラスのスマートフォンで一般的な「Snapdragon 6xx」シリーズより性能は落ちるため、最新の3Dゲームのプレイはやや厳しいでしょう。RAMは3GBですが、ストレージは32GBでmicroSDスロットも備えていないことから、写真や動画を大量に保存しておくのも不向きです。
カメラの性能を見ても、メインカメラは1600万画素のシングルカメラ、フロントカメラも500万画素と、ミドルクラスとして大きな不足はない機能・性能といえます。ですが、ミドルクラスでもデュアル・トリプルカメラが当たり前になるなど、カメラ性能の充実が進んだ最近のスマートフォンと比べると、やはり見劣りする感は否めません。
ちなみに、フロントカメラは顔認証にも活用しています。あくまでロック解除用なのでセキュリティは高くなく、認識速度もあまり早いとはいえませんが、そこそこ暗い場所でも意外と認識してくれました。
FeliCa搭載、スマホ決済の対応の幅は最強クラス
ここまで触れてきた通り、Rakuten Miniはやはりサイズ的な制約があるだけに、メインで使うスマートフォンではないという印象を受けます。ですが一方で、サブ用途のスマートフォンとして見ると非常に優秀であると感じるのも事実です。
特に優れていると感じたのが、キャッシュレス決済対応の幅広さです。Rakuten Miniはスマートフォンなので、「楽天Pay」などのQRコード決済が利用できるのはもちろんなのですが、非常に大きなポイントになるのはNFC、特にFeliCaに対応していることです。
FeliCaへの対応によって「おサイフケータイ」の利用が可能になり、「モバイルSuica」「楽天Edy」など、主要な電子マネーサービスの利用が可能。さらにNFCにも対応していることから、「Google Pay」のアプリをインストールすることで、Visaブランドのクレジットカードやデビットカードによるタッチ決済も利用可能です。
それゆえ、例えばiPhoneとRakuten Miniを2台持ちすれば、iPhoneの「Apple Pay」では利用できないSuica以外の電子マネーや、Visaのタッチ決済も使えるようになります。小さく安いRakuten Miniを1つ追加するだけで、キャッシュレス決済を全方位でカバーできてしまうのですから、キャッシュレスにこだわる人には魅力的といえるのではないでしょうか。
楽天のプランを考慮すると、テザリング用端末としても魅力的
そして、もう1つの魅力はテザリングです。Rakuten Miniは、キーホルダーにぶら下げるには少々大きいものの、財布よりは小さい程度のサイズなので、いつでもテザリングができるモバイルWi-Fiルーターとして持ち歩くのにも適しています。実際、Rakuten Miniはテザリングで利用されることを意識してか、ホームボタンにテザリングのON/OFFができるボタンが設置できるようになっています。
なお、楽天モバイルは3月3日に、本格サービスに向けた料金プラン「Rakuten UN-LIMIT」を発表。楽天モバイルのエリア内であれば、月額2,980円でデータ通信し放題になることを表明しました。楽天モバイルのエリアかどうかを気にする必要はありますが、メインのスマートフォンでは携帯電話大手の安価な料金プランを契約し、普段の通信はRakuten Miniのテザリングを積極活用して料金を抑える……といった使い方も有効でしょう。
また、楽天モバイルの大容量データ通信を生かして、「Spotify」などのストリーミング音楽プレーヤーとして活用するのも悪くないかもしれません。Rakuten Miniはイヤホン端子を備えていませんが、市販のワイヤレスイヤホンを使えば、そのコンパクトさを存分に生かせるのではないでしょうか。
eSIMとバッテリーには要注意
これはRakuten Miniに限ったことではないのですが、Rakuten Miniを楽天モバイルの回線で利用する場合は、「Rakuten Link」というコミュニケーションアプリ(3月3日時点ではベータ版)が利用できます。これは、携帯大手3社の「+メッセージ」と同じ「RCS」という技術を用いており、データ通信を用いたメッセージのやり取りや音声通話などができるものです。
筆者も何度か通話を試していますが、品質的に大きな問題はないと感じています。本格サービス開始以降も、Rakuten Link経由で通話すれば通話料はかからないとのことなので、通話用端末としても大いに活用したいところです。
なお、Rakuten Miniは通常のSIMスロットを備えておらず、本体内蔵型の「eSIM」を使用する形となります。国内でeSIM向けのサービスを提供しているのは、現在のところMVNOのIIJmioが「データ通信専用SIM eSIMプラン(ベータ版)」を提供しているぐらいで、非常に選択肢が少ない状況です。このことから、基本的には楽天モバイルで利用する端末と考えておいた方がよいでしょう。
とはいえ、最近では「GigSky」など、eSIMを活用した海外ローミング対応のサービスも出てきていることから、やや上級者向けではありますが、海外渡航時にeSIMを活用できることを知っておくと便利かもしれません。
ここまで触れてきたように、Rakuten Miniはそのサイズゆえ、普通のスマートフォンと同じ使い方には適しているとはいえません。ですが、スマートフォンではなく“道具”として捉えれば、とても活用しがいがある便利なデバイスだと感じました。筆者も、無料サポータープログラムの二次募集でRakuten Miniを入手していますが、現在ではテザリング兼キャッシュレス決済用端末として手放せない存在となっています。楽天モバイルのエリア内に住んでいる人であれば、本格サービス開始後も有効活用できることでしょう。
ただ、日常的に利用していて惜しいと感じるのは、やはりバッテリー容量が約1250mAhと少ないこと。本体サイズが小さいだけに仕方ない部分ではあるのですが、テザリングを1日中利用しているとバッテリーが切れてしまうこともあるので、運用が悩ましいところです。