パスポートもIC化
外務省は20日、これまで以上に偽造・変造が難しくなるような工夫を施したIC旅券の申請を同日から開始すると発表した。新しいタイプの旅券導入により、ICチップに記録されている情報と照合することで、偽造・変造を見破ることが容易になる。
新しいタイプは、これまでと同じような冊子型のパスポート中央に、ICチップと通信を行うためのアンテナを格納したカードが組み込まれている。このICチップに国籍や氏名、生年月日など旅券面の身分事項のほか、顔写真を電磁的に記憶される。外務省は、今後、各国の出入国審査などで、ICチップに記録された顔画像とその旅券を提示した人物の顔を紹介する電子機器が段階的に整備されていくことにより、偽造・変造のほかに、他人によるパスポートの不正使用防止の効果が期待できるとしている。
2001年の同時多発テロの後、米国は、テロリストによるパスポートの偽造・変造や不正使用を防止する観点から、ビザ(査証)免除継続の要件として、各国に06年10月26日以降発給するパスポートに生体情報認証技術(バイオメトリクス)の採用を求めた。また、ICAO(国際民間航空機関)は、旅券の国際標準化へ向けたステップとして、記録媒体に非接触型ICチップを選択、ICチップに記録する必須(ひっす)の生体情報として「顔画像」を採用した。ベルギーやドイツ、ノルウェー、スウェーデン、オーストラリア、ニュージーランドでは既にIC旅券の導入が開始されており、外務省もIC旅券の生体情報として「顔画像」を記録する方式を採用した。
また、これと並行して、出入国管理を担当する法務省は、IC旅券で入国する海外からの旅行者やビジネスマンを対象に、成田空港などで4月から電子機器による入国審査を試験的に開始しており、今秋以降本格運用に移行できるよう体制を整備している。
ICパスポート申請の手続きは、これまでと変わらないが、提出する写真の規格が変更になり、顔の占める割合が大きくなるほか、ICチップの実費が上乗せされるため、旅券発給手数料がこれまでより1000円値上がりする。【了】
新しいタイプは、これまでと同じような冊子型のパスポート中央に、ICチップと通信を行うためのアンテナを格納したカードが組み込まれている。このICチップに国籍や氏名、生年月日など旅券面の身分事項のほか、顔写真を電磁的に記憶される。外務省は、今後、各国の出入国審査などで、ICチップに記録された顔画像とその旅券を提示した人物の顔を紹介する電子機器が段階的に整備されていくことにより、偽造・変造のほかに、他人によるパスポートの不正使用防止の効果が期待できるとしている。
また、これと並行して、出入国管理を担当する法務省は、IC旅券で入国する海外からの旅行者やビジネスマンを対象に、成田空港などで4月から電子機器による入国審査を試験的に開始しており、今秋以降本格運用に移行できるよう体制を整備している。
ICパスポート申請の手続きは、これまでと変わらないが、提出する写真の規格が変更になり、顔の占める割合が大きくなるほか、ICチップの実費が上乗せされるため、旅券発給手数料がこれまでより1000円値上がりする。【了】