ETCの利用率はいま90%を超えている

 高速道路の料金所ゲートを無線通行でき、時間や曜日によっては料金の割引などもある便利なETC。利用率は現在90%を超えており、いまや付いていないクルマのほうが珍しい装備である。

 ここまでETCが普及すると、ちょっと気になるのがETCにはナンバープレートの内容(これは軽自動車や中型車といった高速料金に関連するクルマの区分に関係するのでとくに重要)などを車載機に記憶させるセットアップという作業が必要となるため、「中古車に付いているETC車載機はそのまま使っていいのか?」ということである。

 まずディーラー系などの大きな中古車販売店で買った場合には、購入費用の内訳に「ETC車載機の再セットアップ」が含まれていることがほとんどなので、心配する必要はないだろう(むしろお客が断るのも勇気が要るだろう)。

 ではそうでない場合、たとえば個人売買で買った中古車に付いていたETC車載機などはどうだろう?

ナンバー変更を行なった場合は再セットアップが必要!

 個人売買で買った中古車にETC車載機が付いていたため、名義変更後にとくにセットアップの認識なくそのままETCカードを入れて使ったという友人によると、「何の問題もなく使えた」という。

 しかしETCシステムの利用規約を見ると「車載機の扱い」という箇所があり、そのなかには

 車載器を取得した者は、車載器の取り付けられた自動車のナンバープレート(自動車登録番号標及び車両番号標をいいます)が変更になった場合、車載器の取り付けられた自動車をけん引できる構造に改造した場合、車載器を他の自動車に付け換えた場合等セットアップされている情報に変更が生じた場合には、再度セットアップをしなければいけません。

 と記載されている。

 結論としては、中古車の場合に多いナンバー変更があった場合には、極力速やかにETC車載機の再セットアップが必要ということになる。また逆に考えれば「近くの人から個人売買で買ったクルマ」のようなナンバー変更がない中古車ならETC車載機の再セットアップは不要だし、「今ついているナンバーの数字が気に入らず、希望ナンバーに変えた」という場合にはETC車載機の再セットアップが必要ということになる。

 ETC車載機の再セットアップにかかる3000円程度の料金の是非はともかくとして、カー用品店やカーディーラーといったETCを扱っているところで行なってくれる。再セットアップに必要なものはETC車載機、車検証、運転免許証などの本人を確認できるものの3つなので、そのクルマに乗って再セットアップを行うお店に行けば問題ない。ただし、忙しいオーナーの代わりに誰かが再セットアップに行くという際にはインターネット上からダウンロードできる委任状が必要になるので、忘れないようにしよう。