16日、都内のホテルで開かれた業務提携発表会見に臨むUSEN,ライブドア両社トップ。(撮影:吉川忠行)

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16日に業務提携を発表した、USEN<4842>の宇野康秀社長とライブドア<4753>の平松庚三社長の一問一答は次の通り。

―― 合意に至った経緯は?

平松 ライブドアの経営を引き受けることになって以来、社内で再生の方法を、長い時間かけて議論した。自力再生という選択肢もあったが、顧客、株主、従業員のためにできるだけ早く再生したいと考え、パートナーと組むことにした。

 再生して元の姿に戻るだけでなく、さらに成長するために、かなりの分野でシナジー効果が見込め、ケミストリー(相性)が合う会社としてUSENを選んだ。この数週間で宇野社長に何度か会う過程で、USENの自由闊達な企業文化を感じた。ライブドアと似た元気な会社という印象を受けた。

―― フジテレビとの提携がなくなったが?

平松 奇妙な縁ではあるが、この縁を大切にして、何らかの形でフジテレビと関係を構築し、本当の意味でのシナジーを両社で発揮できればと思う。

―― ライブドアがUSENの傘下に入る可能性は?

平松 今日は業務提携の発表。これから業務提携推進委員会の中で、両社で決めること。

―― USENは金融事業に関心があるというが?

宇野 特に金融に限っているわけではなく、インターネットメディアを通じて提供できる収益機会すべてに興味がある。ライブドアの金融事業は、そうした機会を一通り備えており、そういう意味では興味があるし、接点も大きくなると考えている。

―― 宇野社長がライブドアの第2位株主となったが、筆頭株主である堀江被告の株式の扱いは? 堀江被告とコンタクトを取ったか?

平松 堀江が筆頭株主であることには変わりはないが、弁護士を通じて堀江から「よかった」という感想をもらった。

宇野 新生ライブドアは、株主である堀江氏と経営という意味では完全に断絶が進んでいると聞いている。大株主ではあるが、あくまでも一株主というところになるだろうし、しっかりとコーポレートガバナンスが効くような形で経営を推進するべきと考えている。

―― 宇野社長は横浜ベイスターズの買収に関心を示したことがあるが、プロ野球の事業について両社で関心はあるか?

宇野 もともとUSENとして、プロ野球は魅力的なコンテンツの1つと申し上げてきた通り。方向性は特に変わっていないが、ライブドアとの提携がこの考え方に特に影響があるとは思わない。

―― ライブドアの再建とUSENとのシナジー効果を出すために、新たな資金調達の必要はあるか? 株主構成を変えるような資本調達の予定は?

平松 現在、ライブドアは潤沢な金融資産を保有しており、新たな資金調達の必要性も予定もない。

宇野 現在12.74%のライブドア株を保有しているだけで、経営権を保有しているわけではない。ライブドアの資本の構成についてコメントする立場にはない。

―― 業務提携なら法人でライブドア株を取得すべきと思うが、個人で取得したのはなぜか?

宇野 USENが取得するのが自然だが、現在USENはまだライブドアに対してしかるべき調査を終えていないので、会社のリスクマネジメントを考慮した。

―― 調査が終わり次第、法人としてのUSENに株式を譲渡するのか?

宇野 現在は全く未定。今後の話し合いの中で、USENで持つ方が適切だということになれば、何らかの方法でそうする可能性はあるが。

―― 損害賠償を請求された場合、どう対応するのか?

平松 慎重に、誠実に対応する。

―― 堀江氏からライブドア株を買うつもりはあるか?

宇野 現在のところその予定はない。将来的には、直接購入することはないが、適切な資本構成を形成する中で、何かしらの動きはあるかもしれない。

―― 業務提携を堀江氏から頼まれたという噂があるが?

宇野 ライブドアの現経営陣からの要請であり、堀江氏から頼まれたわけではない。【了】

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