by Moira Dillon

終身刑を言い渡された男が、刑に服している間に心臓停止したのちに蘇生されたことを受けて、「一度死んだ自分の刑期は終了したはずだ」と裁判を起こしました。

CourtAppealsOpinion

(PDFファイル)https://www.iowacourts.gov/courtcases/7579/embed/CourtAppealsOpinion

Benjamin Schreiber says life sentence served after he briefly died and was resuscitated - The Washington Post

https://www.washingtonpost.com/nation/2019/11/08/benjamin-schreiber-denied-life-sentence-appeal-iowa/

A Murderer Died While Serving a Life Sentence. Now He's Alive Again, And He Wants Out

https://www.sciencealert.com/an-inmate-claims-that-his-sentence-ended-because-he-died-and-was-revived

ベンジャミン・シュライバーは1996年にジョン・デール・テリー氏という当時39歳の男性を殺害したとして、1997年に一級殺人で有罪判決を受け、仮釈放なしの終身刑を言い渡されました。しかし、その約20年後、シュライバーは腎結石により体内で尿がもれ、敗血症を発症させます。2015年3月30日、シュライバーは意識を失い病院に運ばれ、一度は心停止したものの医師の蘇生によって息を吹き返しました。



by Natanael Melchor

その後、2018年4月にシュライバーは有罪確定後の救済手続きを申請。シュライバーは、「自分の刑期は『死ぬまで』であり、2015年に心臓が止まった時に刑期が終了したため、自分が刑務所に入れられることは違法である」と主張しました。しかし地方裁判裁判官は、シュライバーの主張は「説得力のなくメリットがないもの」だとしてはねのけました。シュライバーが釈放のために法的申し立てを提出したという事実は「それ自体が、申立人の現在の状態を『生きている』と裏付けるものだ」と裁判官は付け加えました。

シュライバーはアイオワ州裁判所に控訴しましたが、裁判官は議論のある医学的・精神的意味での「死」の定義に踏み込むことなく、「この規定は、刑期を終えていない犯罪者が医学の専門家によって蘇生された時に、犯罪者を自由にすることを意図するものではない」とシュライバーの主張を退けました。

また、シュライバーは医師が「蘇生しないで欲しい」というシュライバーの意志に反して蘇生し、自分の権利を侵害したと主張しています。デモイン登録局から得られた裁判所の記録によると、医師の決定は「シュライバーの痛みを和らげるために薬を与えてほしい」という兄の同意の後に行われたとのこと。一方で、この争点に関してアイオワ州裁判所は「下級裁判所で審議されていない」ことから、裁定を拒否しました。



by Robina Weermeijer

なお、2019年11月時点でシュライバーはアイオワ州立刑務所に収容されたままであり、今後、上訴されるかどうかは未定となっています。