アニメ映画デートで爆睡したら、彼に激怒され…隠れオタク魂にア然
 アニメやゲームは日本が誇る一大文化。近年はそれが趣味であることを堂々と口にできる時代になっていますが、ほんの10数年前までは、普段はそんな素振りを一切見せない、いわゆる「隠れオタク」と呼ばれる人も多かったのです。

◆爽やかイケメンの隠れオタク彼氏

 K子さん(36)が12年前に付き合っていた彼氏も、そんな隠れオタクの一人だったそう。仕事を通じて彼は見た目は全くそういう雰囲気が感じられない爽やかイケメンで、K子さんは知り合った時から彼に夢中だったとか。とはいえ、彼はあまり女性に対して積極的なタイプではなく、K子さんがぐいぐい押しに押してお付き合いがスタートしました。

「私が完全にリードしていたとはいえ、あんまり向こうから連絡してくれないこと以外は、特に不満はありませんでしたね。ただ、彼がけっこう恋愛ゲームとかアニメが好きだという話はよく聞いていて、その話をたまに熱を込めて語ったりする時は閉口してました」

 しかし、彼の趣味にはどうしても興味を持てなかったK子さん。その話になると何となく聞き流すようになり、その度に彼は少し不満げな表情になり、そのうち彼も趣味の話を口にすることはなくなっていったそうです。以降もそれなりに平和なお付き合いを続けていたK子さんと彼ですが、とあることがきっかけで大きな亀裂を生んでしまいます。

◆彼に誘われアニメ映画を観ることに

「彼が大好きだという恋愛ゲームがアニメ映画化されたんですよ。珍しく彼の方からデートに誘ってきて、行ってみたら前売り券を既に購入してたんです。正直、興味が無いのでノリ気では無かったんですが『どうしても2人で見たかったから……』なんて彼から言ってくれたので、その気持ちを汲んで見ることにしました」

 内容は、不良少年と病弱な少女との青春ラブストーリー。原作となった恋愛ゲームは絶大な人気を博しているそうで、彼はいつになく目を輝かせて「俺の心のバイブルといってもいい作品なんだ」と言いました。K子さんは彼の想い入れが思ってたよりも強かったことに少し戸惑いつつ、映画を鑑賞し始めました。

「でも、その頃って仕事がすごく忙しくて、睡眠時間があまり取れない時だったんですよ。暗くなった途端にウトウトしてきちゃって、目が覚めたらもうエンドロールが流れてました」

 ふと隣を見れば、目に涙を浮かべてスクリーンを凝視している彼の顔。映画館が明るくなると、彼は開口一番「どうだった?!」とK子さんに感想を求めました。K子さんは申し訳ない気持ちで「ごめん……ちょっと疲れてて寝ちゃった……」と、素直に謝りました。すると……

◆映画館に置き去りにされる

「彼に怒鳴られたんです。『おまえは渚の人生をなんだと思ってるんだ!』って。彼はそのまま私を置いて行ってしまいました。呆然としていたらメールが来て『別れよう』って書いてありました。何かそこですがりつくのも違うなーと思って承諾しました」

 ちなみに「渚」とは、映画の主人公の女の子のこと。結局、彼とはそれっきり。仕事柄、顔を見かけるくらいはあったものの、特に弁明も何もしないままK子さんは転職してしまったそうです。

「やたらイケメンだった分、趣味とのギャップは大きかったかな〜。押し付けないでいてくれれば全く問題なかったんですけどね。自分を好きなものに興味を示して欲しい気持ちはわからなくはないですが……」

 K子さん、あの映画がどんな内容なのかは未だに知らないままだそうです。

―シリーズ「気になる男性・彼・夫の意外な一面」―

<文/もちづき千代子>

【もちづき千代子】
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。度を超したぽっちゃり体型がチャームポイント。