夏の星空を楽しみながら「光害」の調査に協力できる取り組み
環境省は2018年度より、屋外照明による光害(ひかりがい)や大気汚染への関心を高め、大気環境の保護や観光資源化を促進するべく、夏と冬に星空の観察を推奨しています。8月21日からは、2019年度の「夏の星空観察」の期間がスタートしました。
観察の方法は「肉眼」と「デジタルカメラ」の2通りが案内されています。なお、環境省ウェブサイトの「令和元年度 夏の星空観察について」のプレスリリース(http://www.env.go.jp/press/107019.html)にて、関連資料のPDFファイルが配布されています。
■星空の見え方を肉眼でチェックしてみよう
肉眼による観察では「天の川」と「はくちょう座」の見え方をチェックする方法が案内されています。観察期間は8月22日(木)〜8月31日(土)の10日間で、観察時間は日没から1時間半が経ってからとなります。
天の川については、「はくちょう座」「たて座」「いて座」付近の夜空を肉眼で観察したときに、天の川がどのように見えるかをチェックします。各星座の場所は関連資料を参考に探してもいいですし、スマホ向けの星図アプリを使って探すこともできます(スマホを使う場合は、目が暗さに慣れるまで10分程度待ってからチェックするのがいいでしょう)。
はくちょう座については、国際ダークスカイ協会(IDA)が2006年から実施している「GLOBE AT NIGHT」と連携しており、見え方をIDAのウェブサイト(https://idatokyo.org/gan/)から報告することが可能です。
こちらは観察期間・観察時間内にはくちょう座を観察し、IDAのウェブサイトや環境省のプレスリリースにて配布されている「観察シート」に示された8通りの見え方から近いものを1つ選び、IDAに報告するという流れになります。
天の川やはくちょう座の観察は誰でも参加できます。星に興味を持つお子さんと一緒に観察してみるのもいかがでしょうか。
■デジタルカメラを使った調査に参加することも可能
また、デジタルカメラを使用した客観的な明るさ調査に参加することもできます。観察期間は肉眼よりもやや長く、8月21日(水)〜9月3日(火)の2週間。観察時間は日没後1時間半から3時間半までの2時間に制限されています。
使用できるのはRAW形式での保存に対応するデジタルカメラで、レンズは焦点距離50mm(35mm判換算)でF値5.6以上のもの。環境省は2008年以降の機種を推奨しており、設定方法の例として「EOS Kiss X9i」(キヤノン)や「α6500」(ソニー)などの製品名が挙げられています。ここでは割愛しますが、シャッタースピードやISO感度なども細かく指定されている他に、カメラを天頂方向に向けて固定するための三脚なども必要となります。
肉眼での観察とは違い、こちらは誰でも気軽に参加できるものではありませんが、関心を持った方はチャレンジされてみてはいかがでしょうか。
Image Credit: ESO/B. Tafreshi
https://www.env.go.jp/air/life/hoshizorakansatsu/index.html
http://www.env.go.jp/press/107019.html
文/松村武宏