Apple Cardで審査落ちする理由や再申請方法を解説したサポート文書が公開に
アップルのクレジットカードApple Cardは発行の審査基準が緩いと噂されていますが、それでもカード発行を拒否される場合はあります。そうした審査落ちの理由や再申請の手続きについて、公式サポート文書が公表されました。同文書によると、審査でチェックされる要因としては低いクレジットスコア(金融的な信用を測る数値)、たび重なるクレジットカード申請、多額の借金と低所得、税先取特権(税金を滞納した場合に公的機関が優先的に取り立てる権利)や破産、財産の差し押さえ、過去の累積債務、最近の銀行口座の閉鎖が対象になるとのことです。

さらに審査に落とされたユーザー向けにも、その後の対応について手厚い説明が用意されています。

1つにはクレジットスコアがどのように決定されるか(借金返済の履歴や新たに他社クレジットカード申請をした際の厳しい問い合わせ、現在のクレジット借入額やローン口座の金額と種類、差し押さえや破産など)を説明したうえで、誤って審査を落とされた場合の対応についても詳しく手ほどき。クレジットレポートの年次コピーを無料で入手し、エラーがあった場合はTransUnion(アメリカの消費者信用報告機関)に異議申し立てできることまで述べられています。

このほか、審査落ちの原因としては「ID(身分証明)が確認できなかった」こともあり、その場合は申請情報が正確であることを確認したうえで、身分証明書のスキャン(要求された場合)が鮮明であり、有効期限が切れておらず、実際の姓と一致していることを確かめるなど、いくつかの推奨事項が懇切丁寧に記載されています。

さらに顧客がカード発行を辞退、あるいは審査を落ちた場合でも、クレジットスコアには影響を与えないとも説明。ただし審査を通ってカードが発行された場合は、信用情報に影響を与える場合もあるとされています。

Apple Cardでは年会費や国際手数料、延滞金なども一切かからず、できるだけユーザーに間口を広げる方向性が打ち出されています。上記のような「審査に落ちた後」の対応や再申請の手続き、審査落ちしても失うものはないとの説明は、およそ日本国内の金融機関では考えにくく、それだけ加入者を拡大したい意向を反映しているとも推測されます。

しかし優良とはいえないユーザーまでを取り込むため、他社より収益性が低く、景気後退が起これば提携先のゴールドマン・サックスが大きな損失を被る可能性があるとも指摘されています。そんなリスクを抱えてでも、アップルとゴールドマンは一般消費者向け金融での足場を築きたいのかもしれません。