暗い夜道を照らす街灯の明かりの様なこの天体は、ろくぶんぎ座の方向約7000万光年先に位置する渦巻銀河「NGC 3169」です。


このNGC 3169は、おとめ座超銀河団の一部である「しし座I銀河群(M96銀河群)」に属しており、側には相互作用を及ぼしているNGC 3166が位置しています。2つの銀河は比較的近い場所にあり、その距離は天の川銀河の直径の約半分程であるといいます。相互作用による影響によって、独自の銀河形状が作り出されています。


歪んだ渦巻腕と明るい銀河核、そして塵の密度が高く分厚い箇所はダストレーンとして銀河の半分を薄く螺旋状に包み込んでいるのが特徴的ですね。また、その周囲にはLINER銀河でよく見られる様な青く若い星が広い範囲に分布されています。


この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用高性能カメラ「ACS」の可視光波長によって捉えられ、2019年7月22日に公開されたものです。


NGC 3169(左)とNGC 3166(右)(Cregit:ESO/Igor Chekalin)


 


Image Credit:ESA/Hubble & NASA, L. Ho
https://www.spacetelescope.org/images/potw1929a/
http://www.sci-news.com/astronomy/hubble-spiral-galaxy-ngc-3169-07411.html