愛知県を走る名古屋鉄道(名鉄)の西尾・蒲郡線。モータリゼーションの進展や沿線観光の衰退などにより乗客の減少が進んで、過去の対策協議会では「一事業者の自助努力だけでの施策は限界に達している」との発言まで出た。

2020年度までの運航継続は決まっているが、その先はわからない。とはいえ、地元の人にとって愛着もあり、無くなってほしくない存在だ。

その愛があふれすぎてしまったのか、三河鳥羽駅でこんな貼り紙が目撃された。

こちらはツイッターユーザーのゆうき(@yuhki_Ikyu)さんが投稿した画像。「絶対に乗って残さなアカン」「いつ乗るの?今でしょ!」「一人でも、一回でも多く名鉄蒲郡線に乗りましょう!」――と、何やら蒲郡線への熱すぎる愛が書かれている。

一体誰の仕業なのだろうか。

熱すぎるメッセージ


ゆうき(@yuhki_Ikyu)さんのツイートより


ゆうき(@yuhki_Ikyu)さんのツイートより


ゆうき(@yuhki_Ikyu)さんのツイートより


ゆうき(@yuhki_Ikyu)さんのツイートより

あまりにも情熱的なメッセージで実際に遭遇したら怖さすら感じる。内容からも単なるイタズラと片付けられない。

誰かが許可をとったのか。それともゲリラ的に貼られているのか。

Jタウンネットは2019年7月11日、名鉄の広報部の担当者に話を聞いた。すると、貼り紙自体も把握しておらず、そもそも三河鳥羽駅のトイレ自体が名鉄の管理ではなく、駅が所在する西尾市の管理だという。

そこで12日に改めて西尾市の地域つながり課の担当者に取材を試みた。

トイレの管理は市のごみ減量課が行っているが、こうした貼り紙の存在は「把握していなかった」という。どうやら、管理側の許可なく掲示されていたものらしい。

また、貼り紙の今後については、

「管理上は協議してはがす流れに」

と担当者。はがすのは当然の流れではある。

単なる落書きであれば、ここで終わる。しかし、蒲郡線への熱いメッセージがそこにある。

西尾・蒲郡線の利用促進や誘客推進を行っているのであれば、気持ちは嬉しいのではないか。

「やり方は疑問に思いますが、メッセージの内容は嬉しい」

では、こうした思いはどこに伝えれば良いのか。

「にしがま線応援団や地域つながり課に思いを寄せていただければ...」

もし、こうした熱烈な西尾・蒲郡線のファンがいればぜひ公式な場所に伝えてあげて欲しい。やり方さえ間違っていなければ、心の底から喜ぶ人はいる。

有り余った熱があらぬ方向に行ってしまったがために起きた珍事。くれぐれも無許可での貼り紙は遠慮していただきたい。