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■オクラってどんな食べ物?



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まずは、オクラの基礎知識を解説しましょう。



・オクラの産地と種類



オクラはアフリカ東北部が原産地と言われ、日本でも鹿児島や高知県などの暖かい地方で栽培されている野菜です。露地物(ろじもの)のオクラ は6〜8月の夏が旬ですが、秋〜春先まで出回る輸入オクラもあります。そのため、オクラは1年を通して手に入れることが可能です。食用にするのは柔らかい若い実で、花そのものを食べる花オクラというものもあります。一般的なオクラは、緑色で断面が星形をしていますよね?しかし、沖縄や八丈島などで作られる断面が角張っていない島オクラや、赤紫色をしたオクラなどたくさんの品種があります。



・オクラの栄養



オクラのネバネバ成分は食物繊維で、中でもペクチンには整腸作用があると言われています。便秘の予防も期待されいるため、お通じが滞りやすい赤ちゃんには特におすすめの食材と言えそうです。また、オクラはレタスの3倍ものβカロテンを含みます。βカロテンは皮膚や粘膜を保護して、免疫力をアップさせる作用があるのだとか。赤ちゃんの健康維持に役立ちそうですね。さらに、オクラにはカリウムやカルシウムも豊富。塩分の排せつや骨を作るために欠かせない成分なので、こちらもどんどん成長する赤ちゃんに摂ってほしい栄養です。



・おいしいオクラの選び方



おいしいオクラを選びたいなら、・元気な産毛がびっしりついている・濃く鮮やかな緑色をしているものを選ぶのが正解!表面や切り口が黒ずんでいるものは、避ける方がベターです。また、小さいサイズの方が、柔らかくて弾力のあるものが多いため、離乳食に向いていると言えます。成長しすぎたオクラは苦みが出始めているため、苦みを強く感じる赤ちゃんには向きません。

■オクラは離乳食のいつ頃からOK?



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離乳食におすすめのオクラですが、赤ちゃんにはいつから食べさせることができるのでしょうか?



・筋が気になるので中期からが理想



基本的には、オクラは離乳食中期からあげるのが理想的。筋のある野菜なので、ペースト状にしにくかったり、赤ちゃんが嫌がって口から出したりすることも考えられるためです。また、冒頭でお伝えしたように、オクラにはたくさんの食物繊維が含まれていますよね。食物繊維は消化器官に負担をかけるため、できれば離乳食初期は避けたいということも理由のひとつです。



・下痢が続いたら一旦やめると良い



オクラをあげて赤ちゃんが下痢をした場合は、一旦離乳食に使うのはストップしておきましょう。下痢のときは繊維質の食べものは避けるべきですよね。内臓が未熟な赤ちゃんは、大人よりも影響を受けやすくなります。オクラに含まれる食物繊維が赤ちゃんのお腹に負担をかけないよう、注意してあげましょう。

■あげるときの注意点



ここでは、離乳食でオクラをあげる際に注意したいポイントを、2つ解説します。



・消化不良やアレルギーに注意



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まず注意したいのは、離乳食でオクラを食べさせて赤ちゃんが消化不良を起こさないようにすること。そのためには、下処理のとき消化に負担のかかる産毛や種をしっかり取り除く必要があります。また、アレルギーも要注意!ほかの食品と同じように、オクラも小さじ1杯ずつからあげてみて、アレルギー症状が出ていないか注意深く観察してくださいね。



・柔らかい部分を食べさせる



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オクラはかたい野菜なので、離乳食に使う場合は柔らかくなるまでしっかり茹でることが大切。栄養が豊富なガクのまわりも使いたくなるかもしれませんが、ガクはかたい部分なので赤ちゃんにはあげない方が良いでしょう。先ほども紹介したように、オクラは小さいサイズほど若い実でやわらかい傾向があります。選ぶときは、サイズもしっかりチェックしたいですね。

■上手な下ごしらえ方法



オクラを離乳食に使うときに覚えておきたい、上手な下ごしらえの方法を紹介します。



・産毛を先にとってから包丁を入れる



離乳食にオクラを使うときは、次のステップで下ごしらえしましょう。ポイントは、産毛を先に取ってから、その後で包丁を入れることです。(1)オクラに塩をふって、まな板の上で転がしながら産毛を取り除く(「板ずり」と呼ばれる作業)(2)オクラの表面についた塩や汚れを、水で丁寧に洗い流す(3)オクラを縦半分にカットし、沸騰したお湯で茹でる



・種もしっかり取る



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離乳食後期になるまでは、かたくて口に残りやすい種は消化に悪く、赤ちゃんが嫌がるため、しっかり取り除きましょう。種を取り除くタイミングは、先ほど紹介した下ごしらえのステップ(3)のところ。オクラを縦半分にカットして、種を包丁や手で取り除きます。少し手間はかかりますが、赤ちゃんの体や食べやすさのためにも、ぜひやってあげてくださいね。

■オクラの茹で方



ここでは、離乳食に使うオクラの茹で方を紹介します。



・鍋を使う場合



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大人が食べるときはサッと茹でて食感を残したいところですが、離乳食のときは赤ちゃんが食べやすいように柔らかくなるまでしっかり茹でましょう。一般的に、オクラの茹で時間は2分前後ですが、離乳食用には沸騰したお湯の中でおよそ5分ほど茹でてください。茹で上って冷めたら触ってみて、どのくらいの柔らかさか感覚として覚えておくと良いですね。



・電子レンジを使う場合



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オクラは電子レンジでも茹でることができるんです!火を使わなくても良いので、忙しいときは便利ですよね。また、水に栄養が溶け出すことも防いでくれるので、おすすめの方法です。オクラを丸ごと加熱する場合は、破裂を防ぐためにフォークや楊枝などで数ヶ所穴を開けておきましょう。耐熱皿にオクラを入れてふんわりラップをしたら、500Wの電子レンジで約1分チン。様子を見ながら加熱時間は変えてみてくださいね。

■オクラを使ったおすすめ離乳食レシピ



ここでは、オクラを使った離乳食のおすすめレシピを紹介します。



・中期はみじん切り&舌でつぶせるかたさ



離乳食中期は、下処理したオクラをすりつぶすか2mmほどの大きさにみじん切りして使います。茹でた後は、舌でつぶせるかたさが目安です。(1)オクラ入り納豆【材料】ひきわり納豆…1/2パックオクラ…1本塩…少々【作り方】下ごしらえしたオクラを柔らかくなるまで茹でてみじん切りにし、納豆と混ぜたらでき上がり。(2)オクラのおかか和え【材料】オクラ…1本かつおぶし…適量しょうゆ…適量【作り方】柔らかく茹でてみじん切りしたオクラに、かつおぶしとしょうゆを入れたら完成。



・後期は5mmサイズ&歯茎でつぶせるかたさ



離乳食後期は、オクラを5mm程度の大きさに角切りして使います。茹でた後は歯茎でつぶせるくらいの固さが目安。(1)オクラと鶏ミンチの和風あん【材料】オクラ…小さじ1にんじん…大さじ1れんこん…大さじ1鶏ミンチ…大さじ1☆だし…大さじ2☆砂糖・しょうゆ…少々☆片栗粉…小さじ1/3【作り方】柔らかく茹でてみじん切りにした野菜と加熱した鶏ミンチに☆の調味料を加え、電子レンジでふつふつとなるまで加熱したらでき上がり。(2)オクラのお味噌汁【材料】オクラ…1本かつお昆布だし…150ml味噌…少々【作り方】かつお昆布だしを取り、種を除いて細かく切ったオクラを入れて味噌を溶いたら完成。

■オクラを使った離乳食の盛りつけ実例が知りたい!



オクラを使った離乳食に赤ちゃんが興味を持てるような、盛りつけ実例を紹介します。

・おかずの上から刻んだオクラをトッピング☆



出典:@ mogcookさん

加熱した魚に野菜スープを加えてすり身にし、マッシュ状にしたさつまいもと混ぜ合わせたおかずです。そこへ、茹でて種を取り、みじん切りにしたオクラをトッピング。オクラが彩りを添えていて、赤ちゃんが離乳食に注目してくれそう。デザインがかわいいお皿を使っているのも、盛りつけの参考になりますね!



・だし入りおかゆの上に刻んだオクラと卵黄を乗せて



出典:@ myson.babyfoods.etcさん

おかゆにオクラをトッピングするのはいかが?こちらは、赤ちゃんがおかゆに慣れてきた頃におすすめのアイデアです。色鮮やかな卵黄もいっしょに乗っていて見た目にもおいしそうで、栄養バランスもばっちり!赤ちゃんの食べが良いようなら、全体を混ぜると食べさせやすくなりそう。



・納豆の上にオクラをかけたスピードメニュー



出典:@ myson.babyfoods.etcさん

先ほどのおすすめレシピでも紹介した、オクラ入り納豆の盛りつけ実例です。ひきわり納豆を使う理由は、赤ちゃんがのどに詰まらせないようにするため。普通の納豆は、包丁で細かく切ってから離乳食に使いましょう☆オクラは茹でてみじん切りにしたものを冷凍でストックしておくと、解凍してサッと使えるので便利ですよ。

■オクラの保存方法は?



離乳食用に下ごしらえしたオクラが余ってしまったときは、冷凍保存がおすすめ。詳しい保存方法を紹介します。

・1食分にまとめて冷凍



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産毛や種を取ったオクラは、使いやすいように刻んでから冷凍すると便利。密閉容器やフリーザーバッグに入れて保存することもできますが、おすすめは1食分ごとにまとめて冷凍する方法。1食分をラップに包んだり、製氷機で小分けにしたりして冷凍し、その後でフリーザーバッグにまとめておくと長持ちして使い勝手も良いですよ☆



・料理を作ってから冷凍



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また、オクラは料理してから冷凍することもできます。こちらも、小さめのフリーザーバッグや密閉容器などへ1食分ずつ入れておくと、解凍するときに便利。チンして冷ませばすぐに食べられるので、忙しい日には助かりますよね。オクラは傷みやすい野菜なので、買ったらすぐ料理して、冷凍保存しておくと良いかもしれません。

■離乳食に栄養豊富なオクラを活用しよう☆



栄養豊富なオクラは、中期以降の離乳食に活用したい野菜です。ただし、赤ちゃんがおいしく安全に食べるためにも、下ごしらえとあげたときの観察は大事。紹介したレシピも参考にして、離乳食のレパートリーを広げてくださいね☆