2018年5月にマクドネル(右)に勝利を収めた井上【写真:Getty Images】

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井上に敗れた元王者は「ウエイトの問題が自分を陥落させた」と地元紙に主張

 ボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級で準決勝進出を決めたWBA世界王者・井上尚弥(大橋)。バンタム級転向初年度の2018年は世界王者相手に2戦合計でわずか182秒でKO勝ちという圧倒的な強さを示したが、昨年5月のWBA世界タイトルマッチで112秒でKOされた前王者ジェイミー・マクドネル(英国)は「減量に負けた。今日、戦えば勝てる」と負け惜しみに出ている。英地元紙「ドンカスター・フリープレス」が報じている。

 2018年、ボクシング界に衝撃を与えた井上。その幕開けとなったのが、5月のマクドネル戦だった。わずか112秒でKO。10年間、無敗だった英国人王者は、あっという間にベルトを失った。あれから半年余り、マクドネルは地元紙の取材に対し、当時を振り返って、こう語ったという。

「最後のファイトで打ちのめされた。ウエイトの問題が自分を陥落させた。今日戦えば、彼を倒すと未だに信じている。だが、減量が命取りだった」

 井上戦後、リングに上がることなく、私生活の問題に向き合っていたという元王者。当時は前日計量で1時間以上遅刻し、何とか体重を作った。

10年間無敗も「負ける時も来る。ちょうど、骨休めするタイミングだった」

 げっそりとした王者は翌日までに一気に体重を増やし、勢いを取り戻したように見えたが、井上の壮絶なラッシュに耐えきれなかった。その敗因は減量失敗だったと主張している。

「自分は何年も負けていなかった。だが、負ける時も来る。ちょうど、骨休めするタイミングだったのかも知れない」

 こうも語ったといい、記事では175.5センチと軽量級にしては長身の英国人ファイターはバンタム級の1つ上のスーパーバンタム級かフェザー級でキャリアを継続し、王座奪回を目指す予定を明らかにしている。

 WBSSでも優勝の大本命に挙がり、バンタム級最強の呼び声が高い「The Monster」と再戦する日は訪れるのだろうか。(THE ANSWER編集部)