いま最も世界に影響力があるとされている現代美術家、アイ・ウェイウェイの監督最新作『ヒューマン・フロー 大地漂流』より、冒頭映像が解禁となった。

本作は、23カ国40カ所もの難民キャンプと国境地帯を巡り、貧困、戦争、気候変動などで増え続ける難民たちの今をカメラに捉えたドキュメンタリー。

冒頭映像は、国境を簡単に飛び越えれる自由の象徴のように、白い鳥が飛翔している映像から始まる。やがてそれと対比されるように、シリアの難民が満載したゴムボートが映し出され、ナーズム・ヒクメット(トルコの詩人)の詩が重なる。「生きる権利が欲しい 跳ねるヒョウや はじける種のような 持って生まれた権利が欲しい」。政治家が基本的な価値観や人権を忘れてしまったら様々な危機は起こり続けるだろうと語る、アイ・ウェイウェイの強いメッセージ性を感じる始まりとなっている。

その後、ゴムボートがゆっくり陸に近づいてくると、老若男女さまざまな難民たちが映し出され、中には小さな子供も乗っているのがわかる。そして、多くの難民たちの通過点となるギリシャのレスボス島へ上陸する様子を、カメラで捉えるアイ・ウェイウェイの姿が最後に映し出される。芸術を通じて様々な問題を提起するアイ・ウェイウェイがカメラで捉えた、美しい映像で描かれる冒頭映像は必見だ。

映画『ヒューマン・フロー 大地漂流』は2019年1月12日(土)シアター・イメージフォーラム他にて公開

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