シュミット・ダニエル(撮影:佐野美樹/PICSPORT)

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9月、森保一監督が率いる日本代表の初合宿に呼ばれたシュミット・ダニエルは緊張した面持ちを崩せなかった。

「あんまり自分に武器があるとは思ってないんで……。練習をやっていて、まだ基礎的な技術の部分や経験やチームをコントロールする部分は、他のGKの方々より劣っていますし、試合経験も乏しいので、そこはJリーグの試合に出て積み重ねていくしかないと思います」

10月になっても、おっかなびっくりという言葉が似合いそうだった。

「前回、代表に呼んでもらった後のJリーグで結構やらかしていたけれど、また選んでもらえたことをプラスに捉えて、思い切り楽しんでやりたいと思います」

ところが11月、コメントには自信が見えた。選ばれた理由を聞かれ、「先月はパフォーマンスが悪くなかったので」と胸を張ったのだ。

▼ ベネズエラ戦の先発イレブン

(撮影:佐野美樹/PICSPORT)


そして16日、ついに日本代表デビューの日を迎えた。初出場の感想を尋ねると「来てしまったものは来てしまった……」と、まるでいけないことが起こってしまったかのように語り始め、微笑むと「来たチャンスはつかもうと思っていたので」と続けた。

「結果として引き分けになっちゃったけれど、あまりゴールを守る機会がなかったので、落ち着いて出来た。そんなに悲観する内容ではなかったと思います」

「相手の1本目のCKでしっかり飛び出してプレー出来て、その後は相手が嫌がっていたと思うので、しっかり自分の特長を出せたのはよかったと思います」

「あのPKを止めれたら結構なヒーローになっていたけれど、また次にチャンスが来たときにはしっかり無失点に抑えたい。また明日からしっかり練習が出来たらと思います」

試合後、監督からは「ナイスプレー」と声をかけられたそうだ。

プロ2年目から「26歳までに代表に入る」と明言し、有言実行となった。2016年10月にGKだけの合宿に呼ばれ、その後3回の全体合宿に参加して、あっという間にデビューした。代表歴だけを見れば、とんとん拍子と言える197センチの大型GKは、日本の守備を変えるのかもしれない。

【森雅史/日本蹴球合同会社】


(撮影:佐野美樹/PICSPORT)



(撮影:撮影:佐野美樹/PICSPORT)