11月7日、日本代表の森保一監督は16日のベネズエラ戦、20日のキルギス戦に向けた日本代表を発表した。今回、森保監督が初めて招集したメンバーはDF山中亮輔、FW鈴木優磨の2人。就任してまだ3試合しか戦っていない監督としては異例の少なさとなった。

たとえば2010年に就任したアルベルト・ザッケローニ監督は、アルゼンチン戦の連戦に25人を招集。次にメンバーを発表したのはアジアカップ前だったが、前回から8人を外し、新しい5人を入れた。

2014年に就任したハビエル・アギーレ監督は、9月のウルグアイ戦から10月のジャマイカ戦までに7人の選手を入れ替えた。2015年に交代したヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、初戦のチュニジア戦に向けて43人のメンバーを発表。大人数を呼んでいたにもかかわらず、次にメンバーを発表した6月のイラク戦でも2人の新顔を入れた。

ところが森保監督は就任以来、GK3人は固定。10月のメンバーからはケガの長友佑都に代わって山中が、前回は途中招集だった川又堅碁に代わって鈴木が入ったに過ぎない。しかも、これまでのメンバーの入れ替えも負傷によるものが多い。

これは森保監督が選手をよく知っていて、最初からチームのイメージが鮮明だからと言えるだろう。監督は選手の入れ替えが今回は2人しかいなかったことを、ベストのメンバーを選考してみたところ「あまり変わらなかった」と語っている。

また、2019年1月に開幕するアジアカップに向けて「基本的に」と断りを入れつつ「キリンチャレンジカップで招集した選手を中心にアジアカップに臨む」という考えを明らかにした。

つまり、これまで招集されたメンバーが今後の核で、その中に入るのには「狭き門」をくぐることになったということだ。もっとも、固定されつつあるメンバーだからこそチームの完成度が一気に高くなっているのも事実。

選手が固定されることで起きる選手層が厚くならないという問題は、今後アンダーカテゴリーの選手がどれだけ日本代表に加わってくるかで解決できる。森保監督が複数のカテゴリーの監督を兼任していることのメリットはそこにもあると言えるだろう。

【森雅史/日本蹴球合同会社】