美食と芸術の都、ベルギー・ブリュッセルでしたい8つのこと
名実ともにヨーロッパの中心で、EUの本部も置かれているベルギーの首都ブリュッセル。
中心部はほぼ徒歩で周れるコンパクトな町ながら、世界遺産の広場グラン・プラスや数々のミュージアムなど、見どころは多彩。「美食の国」といわれるベルギーだけに、グルメも楽しみのひとつです。
美食と芸術の都、ブリュッセルでしたい8つのことをご紹介しましょう。
・「世界で最も美しい広場」に圧倒される
ブリュッセル最大の見どころといえるのが、「世界で最も美しい広場」の呼び声高いグラン・プラス。かのヴィクトル・ユゴーが「世界で最も豪華な広場」と称え、ジャン・コクトーが「豊穣なる劇場」と称賛したことでも知られ、1998年には世界遺産に登録されました。
面積は110×70メートルとさほど大きくはないものの、壮麗な建造物に囲まれた広場は芸術そのもの。
ゴシック・フランボワイヤン様式の華麗なる市庁舎や、後期ゴシック様式の王の家に加え、かつては同業組合の館として使われていたギルドハウスが並び、大小の豪華な建造物が生み出すハーモニーは目を見張るほどの美しさです。
ブリュッセルにやってきたなら、一度はグラン・プラスに面したカフェやレストランでお茶や食事を楽しみたいもの。とりわけ、天気の良い日にカフェのテラス席から眺めるグランプラスの風景は最高です。
・みんなのアイドル、小便小僧と対面
ブリュッセルのアイドルといえば、なんといっても世界的に有名な小便小僧(マネケン・ピス)でしょう。
1619年に制作された小便小僧は、もはやブリュッセルの代名詞。「ブリュッセルの最長老市民」であり、「ジュリアン君」の愛称でも親しまれています。
身長わずか55センチと思いのほか小さいため、初めてその姿を目にした観光客はそのサイズに驚きます。シンガポールのマーライオンとコペンハーゲンの人魚像とともに、「世界三大がっかりスポット」としても知られていますが、果たしてあなたの感想は・・・?
ちなみに、過去に盗難や損壊が相次いだため、現在屋外の噴水に飾られているのはレプリカ。オリジナルはグラン・プラスの「王の家」にある市立博物館に展示されています。
このジュリアン君、世界一の衣装持ちともいわれていて、小便小僧の近くにある「小便小僧の衣装博物館」には、国内外から贈られたユニークな衣装が展示されています。日本から贈られた甲冑や消防士の衣装などもあるので、小便小僧を見た後に立ち寄ってみては。
・レトロなギャルリーをそぞろ歩き
ギャルリーとはショッピングアーケードのことで、ブリュッセル中心部にあるギャルリー・サン・チュベールは、1847年に完成したヨーロッパ最古のギャルリーのひとつ。女王、王、王子の3つのギャルリーに分かれていて、優雅でクラシカルな光景を眺めながら歩くだけでも楽しめます。
ノイハウスやピエール・マルコリーニ、ヴィタメール、レオニダスといった、ベルギーを代表するチョコレートショップに加え、雑貨や服飾品のブティック、カフェなどもあり、お土産探しや休憩にもぴったりです。
・マグリットの不思議な世界観にふれる
日本でも展覧会が高い人気を集めるマグリットは、ベルギー現代美術を代表する画家。複数の美術館からなるブリュッセルの王立美術館には、マグリット美術館があり、スーツを着て絵を描いたというマグリット独特の世界観を堪能できます。
マグリット美術館に展示されているのは、ベルギー・シュールレアリスムの評価に貢献した、ルネ・マグリットとポール・デルヴォーの作品。
展示されている絵画はどれも、「ここにどんな意味が込められているんだろう」とあれこれ考えたくなるものばかり。ミュージアムショップでは、マグリットの代表作に描かれたモチーフをあしらったマグリットグッズも手に入ります。
・大聖堂の美しいステンドグラスを堪能
ブリュッセルを代表する教会であるサン・ミッシェル大聖堂は、歴代のベルギー国王が結婚式を挙げてきた王室御用達の大聖堂。高さ69メートルの2本の塔が印象的なゴシック様式の建物で、13世紀初頭に着工され、およそ300年をかけて15世紀に完成しました。
1200にもおよぶ美しいステンドグラスで知られ、自然光を浴びて輝く色鮮やかなステンドグラスはなんとも幻想的。オルガン演奏の瞬間に立ち会えたら、ひときわ厳かな空気が味わえます。
・アールヌーヴォー探訪
ブリュッセルは、ヨーロッパでも有数のアールヌーヴォーの町。町のあちこちに、19世紀末から20世紀前半に建てられた優雅で独創的なアールヌーヴォー建築が点在しています。
なかでもブリュッセルを代表するアールヌーヴォー建築が集まっているのが、ルイーズ広場の南に位置するオルタ美術館周辺。オルタ美術館(オルタ邸)を含む4つの建築物は、「建築家ヴィクトール・オルタのおもな都市邸宅群」として世界遺産にも登録されています。
絶対に見逃せないのが、アールヌーヴォーの父と呼ばれるヴィクトール・オルタが暮らした家を利用したオルタ美術館。芸術的ならせん階段や美しいシャンデリア、優雅な調度品など、空間まるごとアールヌーヴォーの世界観が楽しめます。
オルタ美術館の周辺には、ヴィクトール・オルタと並ぶアールヌーヴォーの建築家、ポール・アンカールが手がけた家も点在。ブリュッセルの中心部から少し離れて、世界屈指のアールヌーヴォー建築群をゆっくりと訪ね歩いてはいかがでしょうか。
・本場のベルギーワッフルに舌鼓
ベルギーのスイーツと聞いて真っ先に思い浮かぶのが、ベルギーワッフル。ブリュッセルにはワッフルを売るお店がたくさんあり、そこかしこから甘い匂いが漂ってきます。
ベルギーのワッフルはおもに四角くて軽いブリュッセル風と、ギザギザした円形のリエージュ風に分けられます。
生地自体にはほとんど甘みがないブリュッセル風は、生クリームやフルーツなどをトッピングするのが前提となっているため、カフェやレストランでイートインするのが主流で、生地自体に甘みのあるリエージュ風は食べ歩き向き。
ぜひ、ワッフルの本場でブリュッセル風とリエージュ風、両方を食べ比べてみましょう。
日本人旅行者に人気のお店が、ベルギー最古の焼き菓子店「メゾン・ダンドワ」。ブリュッセル風とリエージュ風、両方のワッフルを扱っており、テイクアウトとイートインどちらも可能です。
・元祖フライドポテト「フリッツ」にトライ
ベルギーの国民的B級グルメといえば、「フリッツ」。日本でいう「フライドポテト」です。
英語では「フレンチフライ」と呼ばれますが、フライドポテトはベルギー発祥とされ、第一次世界大戦中にベルギーにやってきたアメリカ兵がフライドポテトを目にしたとき、人々が話す言葉がフランス語だったために「フレンチフライ」の名が付いたのではないかといわれています。
料理の付け合わせとして出されることも多いですが、フリッツ単独で食べられることも多く、ベルギーには「フリッタリー」と呼ばれるフリッツの専門店がいたるところにあります。
ベルギーのフリッツの製法の特徴は、2度揚げすること。フリッツに適した品種のジャガイモを細長くカットしたら、まずは130〜140度くらいの低温で6分揚げてから10分置いた後、さらに170度の高温で2分ほど揚げるのが一般的です。
ブリュッセルにももちろん多数のフリッタリーがあり、「フリット・フラジェ」や「フリットランド」などが人気。グラン・プラスからもほど近いフリットランドは観光の合間に立ち寄りやすい便利な立地です。
見どころがコンパクトにまとまっているブリュッセルは、わずか1〜2日でも充実した滞在が過ごせる町。
世界遺産あり、アートあり、B級グルメありの、ブリュッセルの多彩な魅力に触れてみてください。
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