アンリだけじゃない!ロシアW杯の「アシスタントコーチ」が今熱い!
ロシアW杯決勝トーナメント1回戦で日本を下しその強さを見せたベルギー代表、試合後には吉田麻也らを慰めたベルギー代表のアシスタント・コーチがいたのをご存じだろうか?ティエリ・アンリである。
ティアリ・アンリ(ベルギー)
そう、アンリといえば、アーセナルで長く活躍しプレミアリーグ優勝など一時代を築いた元フランス代表ストライカーだ。髭を蓄えたことで少し印象が変わったものの、すらっとした体格や表情は変わらない。アンリは、2016年よりベルギー代表の2ndアシスタント・コーチを務めており、ロベルト・マルティネスの元で指導者としてのキャリアをスタートさせた。
それ以外の人材もなかなか熱い。
アシスタント・コーチはもう1人いる。エヴァートンやウィガンでアシスタント・コーチを務めたグレアム・ジョーンズだ。彼が、アンリと共にロベルト・マルティネスの両脇を固めている。
ゴールキーパーコーチはイニャキ・ベルガラ(元レアル・ソシエダ)、エルウィン・レメンス(元ラシン・サンタンデール)と中々に渋い。
ロシアW杯ではこのように過去の名選手がコーチとして出場しているのだ。他の国も見てみよう。
マルク・ファン・ボメル(オーストラリア)
ファン・ボメルと言えばかつてPSVやバイエルン・ミュンヘン、バルセロナ、ミランなどで活躍したセンターハーフだ。力強さだけでなく運動量、足元の技術、ミドルシュートなど多岐にわたる才能があり攻守に幅広い活躍を見せた。
現在はオーストラリア代表のアシスタント・コーチを務めており、新シーズンからはPSVにて監督を務めることが既に決まっている。
ちなみにファン・ボメルはオーストラリア代表監督を務めたベルト・ファン・マル・ワイクの娘さんであるアンドラさんと結婚しているので義理の親子でW杯に出場したということになる。
ムスタファ・ハッジ(モロッコ)
モロッコが前回出場したのは1998年W杯になるがその時に攻撃的MFとして注目を浴びたがムスタファ・ハッジであった。1994、1998と2度のW杯に出場しコヴェントリー・シティ、エスパニョール、スポルティング・リスボンなどでプレーした。
ダイナミックで天才的な技巧を持つ選手であった1998年のアフリカ最優秀選手は、2014年よりモロッコ代表のアシスタント・コーチを務めている。今大会で勝つには「勇気と心が大切」と述べたが結果は出すことはできなかった。
ちなみに息子のサミルもサッカー選手で現在はルクセンブルクでプレーしている。ハッジも晩年ルクセンブルクでプレーしていた。
カルロス・マルチェナ(スペイン)
バレンシアでアジャラらと共に堅守を支えたセンターバック。2015年にインドでプレーした後に引退。
2017年よりセビージャCで指導者キャリアを開始、実はセビージャはデビューしたチームでもある。大会前のドタバタ劇もあり2018年W杯前にスペイン代表のアシスタント・コーチに就任した。
EURO2004、EURO2008、2010W杯などに参加経験がある。そう、つまりはスペイン代表の黄金期を過ごしたメンバーがもう指導者としてチームに入っているのである。就任時「2度目のW杯優勝を望んでいる」と語ったが、結果は残念ながらベスト16敗退となった。
さらに言えば、もう1人のアシスタント・コーチにはアルベルト・セラーデス、レアル・マドリーでフェルナンド・イエロ監督と共に過ごした男であり、こちらも往年のファンには懐かしいだろう。
ヨン=ダール・トマソン(デンマーク)
小野伸二と共にフェイエノールトでエールディビジを戦ったデンマーク代表ストライカー。2001-02シーズンのUEFA杯優勝を共に味わった。自らゴールするだけでなくチームのために献身的に働けるチームプレイヤーであった。
その後、ミラン、ビジャレアルなどを経てフェイエノールトで引退。2012年よりオランダにてコーチング・キャリアを開始したが、2016年よりデンマーク代表のアシスタント・コーチを務めている。ちなみにFWコーチという役職も同代表にあり、そちらも兼任している。
クロアチアのモドリッチとデンマークのエリクセンが比べられた時には「モドリッチよりエリクセンの方が悪いとは思っていない」と語り、「エリクセンはゴール、アシスト、セカンドアシストができる点で決定的だ」と述べた。
こちらも2002W杯、2010W杯、EURO2000、EURO2004などを経験した歴戦の勇者。2010年時には日本代表と戦いそして敗れている。
イヴィツァ・オリッチ(クロアチア)
バイエルン・ミュンヘンやハンブルガーSVなどドイツの名門チームでプレーした元クロアチア代表のフォワード。全盛期はスピードがあり得点をとるだけでなくサイドの起用にも応えた。
2002、2006、2014と3度のW杯に出場し、2015年までは代表でプレー。現役生活も2017年まで続け最後は1860ミュンヘンでプレーしたのを最後に、気が付けば同年クロアチア代表アシスタント・コーチに就任して指導者の道へ進んでいた。
ちなみにブンデスリーガで長くプレーしたことから、ドイツ代表がロシアW杯のグループリーグで敗退したことについて最初は信じられなかったそうで「それは冗談だと思った。私はそれを信じたくないし、信じたくなかった」と述べている。
ミロスラフ・クローゼ(ドイツ)
2002年から2014年大会まで4大会連続でW杯に出場し、2006年には得点王に輝いたドイツを代表するストライカー。決して身長がとても高いわけではないが空中戦の強さは抜群でとりわけ代表戦では特にゴールを量産した。
そんなクローゼだが実は5大会連続でW杯に出場していたのだ。今回はアシスタント・コーチとして…。
2016年まではラツィオでプレーしその後も現役への道を模索していたが、11月にDFBからの要請を受けれいてドイツ代表のアシスタント・コーチを務めている。本人は「プレーするためにたくさんの道を探ったが、それ以外にも違う道がありその中にはコーチとして働くものがあった」と心境を語っている。
2018年5月にはバイエルンのU-17チームを指揮することが決まっており、今後はユースの選手の指導を行う予定だ。曰く「バイエルンのDNAは常に私の中に残っている」とのこと。