アイドルも「18歳成人」で強化求められる芸能事務所の管理体制
「もう“大人”ですから、プライベートは本人に任せていますので」
熱愛が発覚したときなど、芸能事務所が出すコメントの一つだが、この“大人”について、このほど民法が改正された。
成人年齢を20歳から18歳に引き下げることが決まり、2022年4月1日から施行される。
これによって、法律の施行後の“18歳”は大人。ローンやクレジットカードの契約ができるようになる。しかし、飲酒、喫煙、競馬などの公営ギャンブルはこれまで通り20歳未満は禁止だ。
芸能人の18歳も大人
当たり前だが、芸能人も例外ではない。法律が施行されれば、これまで“未成年”だった人たちは一気に“大人”扱いになる。それによって「プライベートは本人に任せています」という言葉が安易に使えなくなる。
「仕事以外は本人に任せているということなのでしょうが、特にアイドルと呼ばれている人たちの中には、自分たちが成人であるという自覚を持っていない人もみられます。また自分で大人だと思っていても、中身がまったく伴わない人もいます」(芸能プロ関係者)
最近では、小山慶一郎や加藤シゲアキの騒動後、追い打ちをかけるように『週刊文春』(6月21日号)が手越祐也の記事を掲載しているが3人とも、見事に30歳以上。大人中の大人だ。本件について、一部では“お酒を飲まされた女性が年齢を偽っていたのが悪い”“ハメられたのではないか”と、彼らを擁護する報道もあったが、もし女性が成人であったなら何も問題はなかったのだろうか。
「未成年に飲酒強要もそうですが、いい歳をした彼らが、あんな飲み会を開いていることに呆れたファンも多いでしょう。
彼らに、聖人君子であることを求めているわけではありませんが、お金を落としているファンたちは憧れているアイドルの乱れた姿は見たくないですからね」(スポーツ紙記者)
あれくらいのことは、その辺の“大人”はみんなやっているだろう、という人がいるが、それはその通りなのかもしれない。だけど、彼らは芸能人だ。その辺の“大人”じゃない。注目度が違う。だから、SNSですぐ暴露、拡散されてしまう。
「自分たちはアイドルだからファンの女性がすぐに近づいてくる、ということは多くのタレントが自覚しています。ですが、その立場を利用して、好き放題してはいけないと自覚できるタレントが少ないことも事実です」(前出・スポーツ紙記者)
では、このような不祥事が起きるのを防ぐにはどうすればいいのか。
「女性タレントが多い事務所では、一定期間の“恋愛禁止”を課しているところも見受けられます。恋愛自体はプライベートなことですが、商品価値を保つために事務所が管理するようになっています。ほかにも、女子アナに合コン禁止令を出したテレビ局もありました」(前出・スポーツ紙記者)
それでも、“恋”の暴走は止められないが、その“戒律”は少しは役立っているようだ。
昨今の状況を鑑みると、男性アイドルには飲酒の“作法”を厳しく指導する必要があるように思う。子どものころから芸能界で生活していたら、世間の常識からズレることだってある。所属事務所がしっかりと管理し、指導していかないと同じような不祥事がなくなることはないだろう。
大人になってまで、遊び方をとやかく言われてしまうのは、情けないことなのだがーー。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。