オリT-岡田「全てを教わった」ヤクルト坂口の存在 離れても続く“師弟関係”
ここまで打率.335でセ・リーグ首位打者の坂口
チームが変わっても師弟関係は今もなお続いている。「違うユニホームでもグッさんの活躍する姿は素直に嬉しいですね」。打率.335でセ・リーグ首位打者に君臨するヤクルト坂口智隆の活躍に、オリックスのT-岡田はどこか嬉しそうだった。
2人の関係はオリックスの先輩、後輩だけに終わらない。2006年の高校生ドラフト1位のT-岡田と、2002年に近鉄からドラフト1位指名を受け05年に合併しオリックスの一員となった坂口。両者とも関西出身で高卒ドラ1位。2軍で過ごす期間も同じだった2人は後にオリックスの顔になる。
T-岡田は2010年に33本塁打を放ちタイトルを獲得するなど、和製大砲としてチームを牽引、坂口も2011年には177安打で最多安打のタイトルを獲得するなどチームの切り込み隊長として活躍した。だが、坂口は2012年に右肩を故障してからは出番が激減し2015年オフに退団、翌年からヤクルトに移籍する。
「プロ野球の全てを教わったと言ってもいいぐらいですね。食事もよく連れて行ってもらったし、野球も私生活も全てです。今、違うチームになっても当時を思い出します」
“兄貴”と慕った坂口の退団を当初は信じることはできなかった。2015年のシーズン最終戦、谷佳知の引退試合後には坂口のタオルをファンが待つライトスタンドに掲げ“無言のアピール”で自身の思いを形にしたこともあった。
ヤクルトに移籍してからは2016、17年と2年連続で155安打をマーク。今季も首位打者争いを続ける活躍を見せている。移籍から3年が経過し「違和感ないですよね。ヤクルトにいってもファンから愛されていますし。口はうまくないですけど、熱い人ですから(笑)」と語る。
6月8日から神宮で行われたヤクルト3連戦では顔を合わす機会はあったが、坂口は左肘に死球を受けた影響で出場は代走のみ。グラウンド内での“顔合わせ”は果たすことはできなかった。
「残念でしたけど。僕自身も頑張らないといけないですから。交流戦もそうですけど、いい場所で対戦したいですね。グッさんの活躍は本当にいい刺激になる」。
オリックスはここまで29勝29敗1分けでパ・リーグ4位とまずまずの位置につけ、ヤクルトは交流戦での快進撃で阪神と並び3位まで順位を上げた。師弟関係を結ぶ2人は日本シリーズで対戦することを夢見て、シーズンを戦っていく。(Full-Count編集部)