井川遥と朝ドラ『ピンクハウス』着用の掛け算にハマる中年男性の言い分
NHKの朝ドラ『半分、青い。』に出演している井川遥が話題になっている。
いや、井川というよりも、ドラマの中のファッションが注目されていると言った方がいいかもしれない。
朝ドラを見ていた視聴者、特に40代以上の人たちは、井川が初めて登場した瞬間「懐かしい‼」と思ったはず。
『半分、青い。』は時代設定が'80年代後半から'90年代にかけてだが、'90年代初頭に生まれ、女子に人気だったファッションブランドが『ピンクハウス』だった。
特徴はフェミニンというか、リボン、タック、フリル、レースを多用し、童話の主人公が来ているような、メルヘンチックなデザインにある。
「井川はもうすぐ42歳になりますが、『ピンクハウス』が実によく似合う。なんの違和感もないんですよ」(女性ファッション誌編集者)
それは彼女が、本来的に持っていた“強力な武器”にあるのかもしれない。
本家癒し系・井川遥の出自
'99年に水着のキャンペーンガールで芸能界デビューした彼女は、グラビアアイドルとして男性誌を総なめするほどの人気を誇った。
そして、CMにも数多く登場するようになると、世の男性たちは彼女を見てこう感じたのだった。
「なんだか、ほっとする」
つまり“癒される”いうことだった。
「'94年に缶コーヒーのCMに出演し、男たちをメロメロにした飯島直子が“元祖癒し系女優”と呼ばれています。井川はその後を継いだ形で、“本家癒し系女優”と言ってもいいんじゃないですか」(テレビ誌ライター)
飯島同様、井川も女優に転向し、ドラマや映画、舞台に出演するようになるのだが、
「芝居は苦手だったんでしょうね、女優としての評価はよくなかったのは事実です。
2本目のドラマが月9だったんですが、主演の木村拓哉が、井川の芝居のひどさに腹を立て、以後共演NGを出した、といった報道もありましたね。本当かどうかはわかりませんが、それほど酷かったということでしょう」(テレビ局関係者)
超人気だったとはいえ、よほどの才能がない限り、グラビアタレントからいきなり女優になるのはハードルが高かったのだろう。
だが、井川はあきらめずに、その後も映画やドラマ、舞台などに出演し続けた。そして回を追うごとに演技力が向上。20本を超す作品に出演し、努力の甲斐あって連続ドラマで初主演の座をつかんだのだった。
「'13年に放送された『ガラスの家』(NHK)というドラマで、難しい役を見事に演じていました。演技だけじゃなく、女性としての色気や魅力が増してきていましたね」(前出・テレビ局関係者)
その後の躍進ぶりは言うまでもないが、彼女が再び男どもをメロメロにしたのが、'14年に放送されたハイボールのCM。“癒し”は健在だった。それどころかパワーを増していたようにすら思える。
私の周りの中年男性たちも、朝ドラの話になると、
「井川遥はいいね。可愛いし、色っぽいし。若いころよりずっといいよ。彼女の顔を見ていると、なんかニンマリしちゃうんだよね。彼女が出るようになってから、毎日見るようになったよ」
と口をそろえる。そんな井川と、彼女が着こなす『ピンクハウス』が、視聴率アップに一役買っているのは間違いないだろう。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。