柳下大×東啓介の親密対談「大くんが作ってくれるご飯は、めちゃくちゃウマい」
舞台で輝きを放ち、生で会える(見られる)俳優が本当に仲のいい俳優を指名してトークする「生で会えるイケメンリレー対談」連載。
第34回は柳下大さんが東啓介さんを指名! 『週刊女性』本誌(2018年6月5日号)のスペシャル対談の続きを、たっぷりお楽しみください。
大くんが作ってくれるご飯は
めちゃくちゃウマい
――東さんはよく柳下さんのご自宅に遊びに行っているそうですが、居心地のいい柳下さんの住まいはどんな雰囲気なんですか?
東 ざっくり言って……ほんと実家って感じです。
柳下 インテリアは、ぜんぜんおしゃれではないです(笑)。
東 壁紙にWi-Fiのパスワードが貼ってあったりとか(笑)。
柳下 ウチのリビングは、人がよく来るんですよ。友達とかが、なんか飲み足りないときとか、ウチで飲んだりするんで。それで、みんな「Wi-Fiある?」とか言うから、聞かれるの面倒なんで、貼ってあるんです。
東 大くんがご飯も作ってくれるし。それが、めちゃめちゃウマいですよ。
柳下 この間も、なんか作ったよね?
東 ペペロンチーノと、野菜炒めと、あとマグロの……。
柳下 漬け!
東 いろいろ作ってくれるんですよ、ホントご飯も実家みたいなんです。僕は何も手伝わないで、テレビ見て、勝手にくつろいでます(笑)。
――おふたりが共演したロックミュージカル『5DAYS 辺境のロミオとジュリエット』の稽古(けいこ)や公演で印象深いことは?
東 大くんは、引き出しがえげつない(笑)。いろんな芝居を試すので。稽古中、演出家さんが求めてるものをどんどん出していって、これかな? これじゃないのかな?って、駆け引きをしている姿を見て、すげ〜って思いました。
柳下 ハハハ。いや、なんか飽き性なんですよね。試すというより、お芝居の役作りの幅を自分で知りたいんですよ。この役でこれはありなのか、なしなのか。自分で(セリフを)言ってみて、これは気持ち悪いのか、悪くないのか。
東 (真剣な眼差しで)うんうん。
柳下 それで、演出家の反応を見て、だんだんその幅や厚みを増していったりとか、すごい広いものをギュッと濃いものにしていくっていうか。それを確かめることによって、例えば、本番で何か起きたときでも、いろんな自分がいるから対応できるし。稽古はそういうものだと思っているから。
――稽古場での東さんを見ていて、気づいたことはありますか?
柳下 集中力は、ほんとにすごいなとは思いますよ。休憩中、アハハ〜っ感じでしゃべってたのに、恋人が亡くなるシリアスなシーンとかをやるってなったら、稽古場の床に1分くらいグッとうずくまって。で、“大丈夫です、もう話しかけないでください”みたいな空気を作る。
東 アハハハハハ!
柳下 「じゃあ、稽古やりましょ」って感じで、シュッとやるから。僕は、そういうのを茶化したくなるんで。「何、集中してるんだよ〜」って(笑)。それで集中できなくて演出家に怒られたらかわいそうだと思って、今回はやらなかったけど。
東 アハハハハハ! 次は絶対にやるでしょ?(笑)。
横浜観光はデート気分(!?)で
終始ハイテンション
――稽古場も劇場も横浜で、柳下さんが地元を案内されたそうですね?
柳下 はい。本番中、昼公演で終わって次の日が休みの日があって。東と中山義紘が、「夕方から海見たり、中華街行きたいですよね」って言うんで、「じゃあ、行こう!」ってことになったんですけど、その日が日曜で。中華街って日曜はマジ混んでるんですよ。それに、僕がおススメの中華街の店には、稽古中に連れてったし。ちなみにエビワンタンとチャーシュー丼がおいしいんですけど。
東 そこは、めちゃめちゃおいしかったです。
柳下 それで中華街をやめて、海を見ながら散歩することにして。
――どういうコースを案内したんですか?
柳下 KAAT神奈川芸術劇場から、山下公園に行って。氷川丸を見ながら歩いて、大桟橋行って。大桟橋の上に行くと見晴らしがよくて、みんな「わ〜キレイ」って喜んでくれるんで、そこに連れてって。そのあと、赤レンガに行って。
――彼氏みたいですね(笑)。
東 いや、ほんとにそんな感じ(笑)。めっちゃ楽しかったです。
柳下 ホントは東京に戻ってメシ食おうって言ってたんですけど、お腹がすいちゃって、ワールドポーターズのマックでハンバーガー食べて(笑)。それで地元に戻って、駅のそばのサウナ入って、疲れとってからビールにしようって(笑)。
東 マジ休日でした! 終始「今日、楽し〜!」ってずっと言ってましたもん。
柳下 案内してて楽しかったですよ、みんないい反応してくれるから。
東 ハイテンションで(笑)。一眼レフカメラで撮影しまくりました。
柳下 80枚以上、撮ってたよね。
声が大事な東さん、
目でわかる柳下さん
――恋愛観も少し伺いたいのですが。ちなみにふたりは何フェチですか?
東 僕は、声です。けっこう声で、“ああ〜無理だな”ってあるんですよね。
――どんな声が好きなんですか?
東 ハスキーとかもぜんぜん好きですし、なんか顔に似会った声。すごくかわいらしいのに、めっちゃ声が低かったら“おお〜”ってなるから、ギャップもありですね(笑)。ダメな声は具体的には言えないんですけど。なんか耳障りな声があるんですよね、声は僕にとってはすごく大事ですね。
柳下 僕は目かな。人柄が出るから目が気になるんですよね。目ってよく見るとわかりません? 嘘ついてるのか、本当のこと言ってるのか。どんな女性でも、目がキラキラして笑ってるときって、すごく素敵だなと思いますね。
――もしも今、恋愛をするとしたら、相手に求めるのはどんなこと?
柳下 これすごく女性に反感買うかもしれないけど、家事をやってくれる人。
東 ああ〜、支えてくれる系?
柳下 うん。家に帰ってきて、掃除、洗濯、日用品の買い物とか……正直おっくうなんで。そういうことをしてくれると、めちゃくちゃありがたいです。
――結婚したら、奥さんには家にいてもらいたい人?
柳下 基本はそういう人と出会いたいけど、もし好きになっちゃった人が外に出たいって言うんだったら、家事もちゃんと割り振ってやろうとは思うけど。
東 僕も理想としてはそうですね。彼女に求めるものは、共感です。休日に家でお互い別々のことをしてても、同じタイミングで笑えるみたいな関係が、一番いいなと思うんですよね。
――最後に改めて、お互いはどんな存在ですか?
柳下 僕が言うのは偉そうかもしれないけど、東のことは俳優として楽しみだし、期待してます。まだ22歳だし、演出家でも役者でも、いい人に出会ってほしいなと思う。これから先も見守っていきたい存在ですね。
東 ありがたいです。大くんには今後もいろんなお話を聞きたいし、これからも公私ともに話ができてる関係でありたいです。プライベートでは一緒に出かけたり、兄弟みたいな関係性でいたいなと思いますね。
柳下 近々、ふたりで旅行にも行きたいねって言ってるんですよ。
東 箱根とか、近場の温泉で安らげるのがいいですね。
柳下 うん、ふたりとも風呂が好きなんで(笑)。
スペシャルQ&A【柳下大編】
――東さんには言ってないけど、感謝していることは?
柳下 『5DAYS』では歌に関してアドバイスしてもらって、感謝してます。僕はあんまりミュージカルって経験していなくて、歌の技術を積んできていないので。演出家にも「芝居のセリフはいろんな意味を含んで発しているのに、歌になると何もなくなるね」って言われてて(笑)。
歌になると不自由になるというか。東は毎週ボイストレーニングに通ってるんで、声の出し方とかレッスンで得た技術的なことを、「これ試してみたらどうですか?」って感じで、ずいぶん教えてもらいました。
――舞台の楽屋に必ず持ち込むものは?
柳下 絶対にないとダメなのは、歯ブラシです。舞台に出る前に必ず歯磨きをして、口の中すらも自分じゃなくするっていうか。例えば、焼き肉弁当を昼に食べて、歯磨きをしないでそのまま舞台に立つと、たまに焼き肉の香りが戻ってきて、一瞬素の自分に戻ってしまうんですよね。だから、舞台に立つ前に、口の中も全部ゼロにしたいんです。最近は、ヘアメイクをして、衣装を着て、開演直前の10分前くらいに磨くって決めてます。食後に歯磨きしてても、磨きますね。あと、もしも磨けないときのために、マウスウォッシュも置いてます。
――今だから言える、舞台での失敗談を教えて?
柳下 今だから言えるのは、まあ本当にダメなことで、若気の至りですけど。10代のときに出演した舞台で、なんかもう睡魔がすごくて。一瞬だけ、誰かが歌うときに舞台袖にはけるってなって。で、僕は座りながら待ってたんですけど、一瞬うとってしてしまって。他のキャストもみんな次に舞台に入るタイミングが一緒だから、万が一寝落ちしても起こして誰か連れてってくれるだろうって思ってたのに、パッて起きたら誰もいなくて、みんなが舞台上にいて。こっそ〜り、しれ〜っとした顔で舞台に入ったことあります(笑)。
スペシャルQ&A【東啓介編】
――柳下さんには言ってないけど、感謝していることは?
東 こんなにも快く僕を受け入れてくれていることに、すごく感謝してます。僕は、仲良くなり始めると、すごく距離を詰めちゃうほうなので(笑)。大くんが忙しそうでも、「ご飯行きませんか?」とか言っちゃうから。それをなんか、ほんとに優しく、快く受け入れてくれているので。嫌がらずに相談に乗ってくれたりとか、親しくなって2か月くらいなのに、ここまでよくしてもらって、本当に感謝しています。
――舞台の楽屋に必ず持ち込むものは?
東 美顔ローラーみたいなのがあるんですけど、あれを顔じゃなくて首に使います。楽屋で歌う前とかにコロコロやっていると、よく「用途間違えてない?」って言われるんですけど(笑)。歌うと首が張ったりするときや疲れてるなと感じたときに、ほぐすために使ってます。頭のコリをほぐすのにも使いますよ(笑)。
――今だから言える、舞台での失敗談を教えて?
東 『BOY BAND』っていう舞台で、僕はアンサンブル枠というか、いろんな役をやる役割で出演したんですけど。女装、オカマ、ニュースキャスター、黒子……もう13役くらいやったんですね。稽古中は、オカマ役とか、自分の中での振り切り方がわからなくて、上手くできなくて、演出家さんにも指摘されてトイレで泣きましたし(笑)。それが、お客さんの前ではすごい振り切れて、みんなが「よかったね」って言ってくれて。“ヨッシャ!”って。
公演を重ねてちょっと調子に乗ってきたんでしょうね。そのときはカメラマン役だったんですけど、みんなのポーズを滑稽に撮るっていうシーンで、カメラを持たないで舞台に出てしまったんです。で、ヤバいって思って。「じゃあ撮るよ〜」パシャパシャパシャ、で暗転なんですけど、撮るカメラがないから、「本当のカメラマンはあっちにいるから、あっちを向いてくださ〜い」みたいなことを言って。他のキャストのみなさんが「なんだよ、それ?」みたいな感じで臨機応変に対応してくれて、それでなんとか乗り切りましたけど、焦りました。
<プロフィール>
やなぎした・とも◎1988年6月3日、神奈川県出身。2006年、俳優デビュー。以降、ドラマ、映画、舞台などで幅広く活動。今後は、二兎社公演42『ザ・空気ver.2』〜誰も書いてはならぬ〜(6月23日〜7月16日@東京芸術劇場シアターイースト)、ONWARD presents新感線☆RS『メタルマクベス』disc3 Produced by TBS('18年11月初旬開幕予定)出演。
ひがし・けいすけ◎1995年7月14日、東京都出身。’13年、ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンで、俳優デビュー。以降、舞台を中心に活動。近年は、『マタ・ハリ』などグランドミュージカルにも出演し活躍の場を広げている。今後は、舞台『刀剣乱舞』悲伝結いの目の不如帰(東京公演:6月2日〜6月6日@明治座ほか京都、福岡、東京凱旋)に出演。
(取材・文/井ノ口裕子 撮影/廣瀬靖士 ヘアメイク/白石真弓)