SLIDE SHOW FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN 1/14非武装地帯を区切る南方限界線(SLL)に沿って設置された鉄条網を示した航空写真 PHOTOGRAPH BY PARK JONGWOO 2/14韓国側の監視所。北朝鮮の金剛山(クムガンサン)に向かって北向きに建てられている。PHOTOGRAPH BY PARK JONGWOO 3/14日没後は、投光照明が非武装地帯の全長を照らし出す。PHOTOGRAPH BY PARK JONGWOO 4/14楊口(ヤング)郡に接する非武装地帯の南方限界線(SLL)を照らし出す侵入防止照明。PHOTOGRAPH BY PARK JONGWOO 5/14監視所近くの非武装地帯内の偵察に当たる韓国陸軍兵士の分隊。PHOTOGRAPH BY PARK JONGWOO 6/14非武装地帯の地下にあるトンネルを歩く2人の韓国人兵士。PHOTOGRAPH BY PARK JONGWOO 7/14偵察任務のために監視所を出発する準備を整える韓国人兵士たち。PHOTOGRAPH BY PARK JONGWOO 8/14韓国砲兵部隊は、臨津江(イムジンガン)に近い「戦闘地域の前線」で軍事演習を行う。PHOTOGRAPH BY PARK JONGWOO 9/14迷彩服を着て非武装地帯をパトロールする韓国軍兵士たち。PHOTOGRAPH BY PARK JONGWOO 10/14板門店(パンムンジョム)地区にある射撃練習場で射撃練習をする、韓国共同警備区域の兵士たち。PHOTOGRAPH BY PARK JONGWOO 11/14非武装地帯の川に沿ってパトロールする韓国陸軍の分隊。PHOTOGRAPH BY PARK JONGWOO 12/14凍結した漢江(ハンガン)を見下ろす南方限界線(SLL)に立って警備を行う韓国の兵士。漢江は、非武装地帯を通って北朝鮮から韓国に流れている。PHOTOGRAPH BY PARK JONGWOO 13/14南方限界線(SLL)を構成する鉄条網の前に立つゴーラル(チョウセンカモシカ)。PHOTOGRAPH BY PARK JONGWOO 14/141953年の休戦以来、修復されずに残っている橋の残骸。この地域は人の立ち入りが禁止されているため、渡り鳥たちが休憩する場所となっている。PHOTOGRAPH BY PARK JONGWOO Prev Next

韓国と北朝鮮の軍事境界線にある非武装地帯は、1953年に設定された。北朝鮮との間で3年間続いた苛酷な戦争を終わらせた、休戦協定の一環として設定されたものだ。

「南北朝鮮を隔てる「非武装地帯」に潜入──そこには緊迫した兵士と、自由を謳歌する動物が共存していた」の写真・リンク付きの記事はこちら

幅約2マイル(約3km)、全長155マイル(約250km)。朝鮮半島を横切るこの地帯は、幾重にも張られた鉄条網によって、南北の両側から通行が禁止されている。世界で最も多くの兵士と火砲が集中している場所のひとつだ。ビル・クリントン元米国大統領は、かつてこの地域を「地球上で最も恐ろしい場所」と呼んだ。

この非武装地帯への立ち入りは、めったに許可されることがない。だが韓国国防部は2009年、翌年が朝鮮戦争勃発から60年になるのを記念して、フォトジャーナリストのパク・ジョンウに対して立ち入りを認めた。

非武装地帯には数千に上る地雷があちこちに埋められているため、パクは常に韓国兵士の中隊とともに行動した。兵士たちは、パトロール用に決められた道筋に従って進むのだ。パクはその後8年間にわたって非武装地帯の写真を撮り続け、作品をまとめた写真集を2017年11月に出版した。

「非武装地帯のなかは、火砲やマシンガン、ミサイルなどで完全に武装された地域だろうと思っていました」とパクは述べる。「ところが初めて足を踏み入れたとき、そこはとても平和な場所のように見えました。いくつかの監視所があることを除けば、それは単なる普通の朝鮮半島の風景のように見えたのです」

そこは自然の宝庫でもあった

非武装地帯での開発事業は禁じられているため、この地域はタンチョウやマナヅルなど、絶滅が懸念される鳥類の野生生物保護区のようになっている。韓国環境部の報告によると、6,000種を超える動植物が確認されており、そのなかには絶滅の恐れや保護の必要があると指定された106種が含まれているという。非武装地帯で撮影している間、パクはイノシシやキバノロ(シカの一種)、ヤギによく似たオナガゴーラル(チョウセンカモシカ)も見かけたとのことだ。

非武装地帯から南へわずか40マイル(65km)の場所にある平昌(ピョンチャン)で開催された2018年冬季オリンピックのおかげで、2015年以来2年ぶりの南北高位級会談が行われ、両国間を結ぶホットラインが再開されるなど、最近は南北朝鮮関係に緊張の緩和が見られる。だがパクは、南北再統一の見通しについては懐疑的で、少なくとも自分が生きている間は実現しないとみている。

「和平交渉を妨害するものがあまりにも多く、ほとんどの人々がそのことをいまなお心配しています」と、パクは言う。「それでもここしばらくは、オリンピックのおかげでわたしたちは幸せです」

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