アルノー・ベルトラーメ中佐(Arnaud Beltrame) photo : AFLO

現地時間3月23日(金)にフランスのトレブで発生したテロ事件。ある軍人の行動がフランスで大きなニュースになっている。

過激派組織イスラム国の戦闘員だと主張する男がスーパーに押し入り、人質をとって立てこもった今回のテロ事件。駆けつけた治安当局のアルノー・ベルトラム中佐が人質の女性の身代わりとなり、スーパーの中へ入っていったという。彼は外にいる捜査陣に携帯電話で密かに連絡を取り、突撃のタイミングを計ることができるよう内部の様子を伝えていた。

でもベルトラムは犯人の銃弾の犠牲に。銃弾4発を受け病院に運ばれた(※)。その彼の元に恋人のマリエルが駆けつけたそう。今年夏に結婚する計画を立てていたアルノーとマリエル。でも彼の命が助からないことがわかり病院で結婚式を挙げたという。その数時間後には亡くなった。

彼の死にエマニュエル・マクロン大統領は「アルノー・ベルトラム中佐はこれまでも彼が多くを捧げてきた国のために亡くなった。イスラムのテロリストの残忍な行為を終わらせるために亡くなった彼は殉職した英雄です」とツイートし、追悼の意を表明。また彼の弟は「彼は見知らぬ人に命を捧げた。もしこれが英雄でないなら、何が英雄なのかわからない」とコメントしている。

世界各国で相次ぐテロ事件。1日も早く根本的なテロ撲滅が実現すること、そして中佐の安らかな死を祈りたい。

text: Yoko Nagasaka

※後の調査で致命傷は頸部への刃物での攻撃であったことが判明(2018.3.27 23:00追記)