羽生結弦【写真:Getty Images】

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五輪制覇した15歳が「お手本」に挙げた羽生の存在「多くの尊敬を集めている」

 平昌五輪は23日、フィギュアスケートの女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)1位の15歳アリーナ・ザギトワ(OAR)が世界歴代2位の合計239.57点で金メダルを獲得した。弱冠15歳9か月にして果たした五輪制覇。一躍、世界を席巻した天才少女は男子シングルで66年ぶり連覇を果たした羽生結弦(ANA)と手本にしていたという。米国のジャッキー・ウォン記者がツイッターで伝えている。

 日本でいえば、中学3年生。2002年生まれの15歳が、五輪女王に輝いた。

 トレードマークの赤いチュチュをまとい、華麗に銀盤を舞ったザギトワ。後半に固めたジャンプを大きなミスなく着氷し、滑り終えると、右手で会心のガッツポーズを繰り出した。得点は156.65点。最終滑走となった同門の先輩、世界女王エフゲニア・メドベージェワ(OAR)も届かず、金メダルが決まると笑みをこぼした後、目元を押さえた。感激の優勝だった。

 ザギトワは今季、シニアデビューした15歳。GPシリーズ、ファイナル、ロシア選手権を含め、全勝街道をひた走り、欧州選手権では同門の先輩、世界女王メドベージェワに2年ぶりに土をつけ、初の五輪に臨んでいた。ジュニア時代から世界選手権を制するなど、注目を浴びていたが、9月のシニアデビューから半年で五輪女王にまで上り詰めた。

 そんな15歳の天才少女にとって、手本となる存在がいたという。ウォン記者はザギトワがこう語ったことを紹介している。

ザギトワの「お手本」になる2人のスケーター「ユヅルは私のレジェンドです」

「私にとってはカロリーナ・コストナーが最高のお手本です。たくさんの大会でメダルを取っていて、私のロールモデルです。彼女はたくさんのオリンピックに出ていて、私は同じ成功を手にすることができるかわかりません」

 31歳ながら4度目の五輪出場を果たし、5位と奮闘したイタリアの女王。衰えぬことのない情熱でリンクに立ち続けるコストナーに対し、尊敬のまなざしを向けながら、こうも語ったという。

「ユヅル・ハニュウは私にとって、もう一人のお手本です。彼はアップダウンを経験した。私にとって彼はレジェンドです。シーズンの半分を失っても自分を失わず、とても上手に滑る。多くの尊敬を集めるものです」

 羽生は今季、右足首の故障で3か月離脱しながら、ぶっつけで挑んだ五輪で己を貫き、魂の演技を披露。66年ぶり連覇の偉業を達成した。ジュニア時代に羽生と嬉しそうに撮った2ショットをインスタグラムに掲載するなど、憧れの一人だっただけに同じシニア、五輪の舞台で戦った英雄は大きな刺激になったようだ。

 五輪女王が憧れる五輪王者。ザギトワと羽生は25日のエキシビションで登場する。世界に感動を与えた2人の“競演”は大きな見ものになりそうだ。(THE ANSWER編集部)