「子育て堂々四街道　子どもファースト四街道」――こんなことをラップ調に言う動画が市のPRだと言われて、信じられる人はいるだろうか。

千葉県四街道市（よつかいどうし）では、ラップの「MCバトル」で市のPRを行っている。視聴回数も10万回を超え、ネット上の評判も上々だ。しかし、一体なぜ市のPRにMCバトルという斬新な手法を取り入れようと思ったのだろうか。Jタウンネット編集部は四街道市に取材を行った。

「子育て堂々四街道　子どもファースト四街道」


「四街道」VS「北海道」、白熱のMCバトル（画像はプレスリリースより）

PR動画は、2017年12月19日に公開されたもので、YouTubeやニコニコ動画、Facebookなどで閲覧が可能だ。映像は3本あり、子育て環境を紹介する「子育て」篇、東京や成田空港へのアクセスの良さを紹介する「ロケーション」篇、自然を紹介する「ネイチャー」篇に分かれる。

動画では、「千葉の荒武者・兵（つわもの）・勇者」を自称する「四街道市」と「最強のMC」こと「北海道」とのMCバトルが繰り広げられる。たとえば、「子育て」篇であれば、

「子育てするなら北海道　広大な大地　マザーシップ
真っ白な雪景色Beautiful　すくすく育つそれはめちゃDynamicに」

と北海道が仕掛けると、四街道が

「子育て堂々四街道　子どもファースト四街道
知ってるか？　中3まで医療費無料　健康に育って親感無量」

と応じる、といった具合だ。MCバトルは1分ほどだが、どの動画も最後には四街道が勝利したかのような雰囲気で終わり、笑いを誘う。

何故MCバトルでPRを図っているのだろうか。四街道市経営企画部シティーセールス推進課の担当者は18年1月25日のJタウンネット編集部の取材に対し、

「千葉県で見ると、四街道市の認知度は他の市町村に比べて低いところがあります」

と打ち明けた。外部の業者からラップでMCバトルを行ってPRする案が提示された際に、「面白いのではないか」ということで採用に至ったとしている。市に映像について詳しい職員がおり、動画制作などのノウハウが分かることもあって、「MCバトル」の動画を採用する追い風になったという。

今後新しい動画を上げていくことについては「現段階で予定はない」と回答。

ちなみに、四街道市出身のメンバーで構成される「四街道ネイチャー」というヒップホップグループも存在する。同市も存在を把握しており出演交渉したものの、残念ながら出演はかなわなかったという。

動画の評判については、「おかげさまで好評で、様々なメディアで取り上げていただいております」という。再生数は、22日時点で累計10万回を超えており、ネット上でも様々に反応が上がっている。

※四街道市の指摘を受け、1月26日18時35分、記事内容を一部修正いたしました。