2017年12月に海外掲示板やコミュニティサイトなどで、「古いiPhoneのバッテリーを交換すると端末の動作が軽くなった」という報告が続出。その後、ベンチマークソフトが公開した統計データなどから、Appleが古いiPhoneの性能を落としていることが明らかになり、Appleもこのことを正式に認めています。そんな「iPhoneの性能低下問題」について、フランス政府も調査に乗り出していることが報道から明らかになりました。

French prosecutor launches probe into Apple planned obsolescence: judicial source

https://www.reuters.com/article/us-apple-france-investigation/french-prosecutor-launches-probe-into-apple-planned-obsolescence-judicial-source-idUSKBN1EX27V



French government investigates planned obsolescence allegations amidst iPhone slowdown controversy

http://appleinsider.com/articles/18/01/08/french-government-investigates-planned-obsolescence-allegations-amidst-iphone-slowdown-controversy

フランス政府が「iPhoneの性能低下問題」について、不正捜査機関の競争・消費・詐欺防止総局(DGCCRF)に独自に調査を行わせているとロイターが報じています。ロイターが司法筋から得た情報によると、この調査は消費者団体のHalte l'Obsolescence Program(HOP)が提出した訴状に基づき行われているものだそうです。

HOPは12月にAppleを提訴しており、その目的は「Appleにより意図的に廃棄物とされる古いiPhoneから顧客と環境を守るため」とのこと。フランスでは端末の寿命を意図的に短くすることは違法とされているため、「Appleは罰金などを科せられる可能性がある」とappleinsiderは報じています。

Appleは2017年12月に古いiPhoneの性能を低下させていることを正式に認めており、それ以降、世界中で訴訟に直面しています。中には100兆円超という巨額の支払いを求める原告もいます。

古いiPhoneの性能を意図的に落としたAppleが集団訴訟で100兆円超の支払いを求められる - GIGAZINE



Appleを相手に訴訟を起こしている人々は、一様に「Appleが消費者に新しいiPhoneを購入させるために性能を低下させている」と主張していますが、Appleはバッテリーの劣化したiPhoneが予期せぬシャットダウンを起こすのを回避したり、バッテリー寿命を延ばしたりするために、iOS更新のタイミングで意図的にiPhoneのピーク性能を落としているとコメントしています。

なお、Appleは「iPhoneの性能低下問題」について正式に謝罪し、バッテリー交換費用を60%以上値引きすることを発表しています。日本での減額されたバッテリー交換費用は税別3200円です。

Appleが古いiPhoneの性能低下問題を正式に謝罪しバッテリー交換費用を60%以上値引きすると発表 - GIGAZINE