ビジネス書作家・営業コンサルタント 和田裕美氏

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だれにとっても時間は平等にある。だが成果を残す人は、その使い方が違う。そして違いが出るのは、平日ではなく休日だ。トップ営業マンは休日をどう活用して、まわりに差をつけてきたのか。3人の識者に6つのテーマについて聞いた。第2回のテーマは「不摂生な生活を変えたい」――。(全6回)

※本稿は、「プレジデント」(2017年5月15日号)の特集「一流の人の1週間」の記事を再編集したものです。

和田さんの教え
付き合う人を変えると、習慣は変わる

■特別なことより犬と散歩してみる

生活のリズムって、付き合ってる人によって変わってくるものだと思うんですよ。私の場合も、夜むちゃくちゃ飲む友達が多い時期には、夜更かしが多くなります。でも、朝5時起きでマラソンをしているような友達が周りに多い時期は、帰る時間が10時になったりしていました。ですから、どうしても生活習慣を変えたいという場合は、付き合う相手を選べば、必然的に変わってきますよね。

とはいっても、無理は禁物。基本的に休日は自分のペースで自分の好きなように過ごしたほうがいいと思っています。私も突然書店に行きたくなり、夜中まで開いている書店に行って夜更かしすることもありますし、疲れてお昼近くまで寝ていることもあります。休日も早起きをしなきゃいけないとか、走らなきゃいけないとか、自己規制のしすぎでストレスがかかるのが最もよくないのではないでしょうか。

健康のためにジムに行ったり走ったりという人もいるかもしれませんが、私は特別なことはしていません。ただ、休日に限らず、毎日1時間ぐらい犬の散歩をするので、そのときに意識してウオーキングをしています。パーソナルトレーナーに教えてもらった、象の歩き方を真似た筋肉がつく歩き方というものがあってそれを実践しています。後ろ足を蹴るときにお尻をきゅっと上げるように歩く、というものなんですけどね。

自分の中でこうじゃなきゃいけないっていうルールを外したら、生活はもっと楽しくなりますよ。

▼自分のペースを無理に変えない

市村さんの教え
起床時間を30分だけ早めてみる

■早朝3時間の準備で圧倒的な差をつける

日常のルーティンはとても大切ですね。生活のリズムを保つことは、運を管理することです。ずっと同じリズムを保てば、ずっといい状態が続く。私はこれをリスクマネジメントならぬ、ラックマネジメント(運の管理)と呼んでいます。

私は「朝を制するものはすべてを制する」と思っていますから、34年間、朝は4時半に起き、6時に出社し、仕事の準備をしています。周囲の人が出社する頃には準備が終わっている。この差は圧倒的です。営業で差がつくのは、準備ですからね。

土曜日の過ごし方も決めていて、1人で会社に来て残務整理をしています。手紙を書いたり、熟考したり。電話もかかってこないし、誰とも話さずにゆっくり考えたり、整理ができるのは、私にとって至福の時間です。

日曜日は毎週欠かさず理髪店に行き、身を整えます。そしてジムやサウナで整体をし、体のメンテナンスをしています。

不摂生な人は、30分早く就寝し、起床時間を30分早くしてみてはいかがでしょうか。そして、その30分で、その日にやることをメモします。そしてそれに沿って行動を開始します。時間的な余裕を感じ始めたら、それがモチベーションになり、早起きするのが楽しくなってきます。するといつの間にか、それが習慣になってくるのです。

考え方が変わると、行動が変わる。行動が変わると、考え方が変わる。これはイコールです。次に、行動が変わると、習慣が変わる。習慣が変わると人格が変わる。人格が変わると、運も仕事もよくなりますよ。

▼今を変えなければ、未来は変わらない

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市村洋文
ファーストヴィレッジ代表取締役社長。
野村證券入社後、前人未到の月間手数料収入6億円を達成。その後、KOBE証券の社長に就任し上場に導く。2007年に現在の会社設立。著書に『1億稼ぐ営業の強化書』。最新刊は仕事を効率化し人脈を驚異的に広げるメモの取り方を書いた『1億稼ぐ人の「超」メモ術』(ともにプレジデント社)。
 

和田裕美
ビジネス書作家・営業コンサルタント。
日本ブリタニカ入社後、世界142カ国中2位の成績を収め、20代で女性初の支社長に。京都光華女子大学客員教授。幸運が舞い込む仕組みを解明した『和田塾 運をつくる授業〜あなたもぜったい「運のいい人」になれる方法がわかった!』(廣済堂出版)など著書多数。
 

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(ビジネスライター 嶺 竜一)