荒天で中止となってしまった航空観閲式のリベンジとして、岐阜基地航空祭で望遠レンズの撮り比べをしてきました。

今回のテストに投入したのは二機種。1機種目はOLYMPUSのOM-D E-M1 MKIIに300mm f4の単焦点望遠レンズを装着。マイクロフォーサーズは焦点距離が2倍となりますので、35mm換算で600mm f4となります。

もう1機種はD850にシグマのAPO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSMを装着。50mmから500mmまでの10倍ズームで広角から望遠までを追いかけました。

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OM-D E-M1 MKIIにはドットサイト照準器「EE-1」を装着。300mmの望遠レンズで対象を追うと、ファインダーで追いきれない(視野から外れてしまう)ことが発生します。ドットサイトは、銃器の照準器にも採用されている光学機器で、赤く発行する点をファインダー内に表示し対象を捉えやすくするものです。倍率も低く(EE-1は等倍)高倍率レンズを装着したカメラにドットサイトをつける人は多いようです。



こちらがドットサイト照準器「EE-1」を装着したOM-D E-M1 MKII + 300mm f4今回はシューに照準器を装着したのですが、この運用では不都合が生じる場合がありました。



このようにシューに取り付け赤いドットが目標を捉えるようにして構えると、自然に目標がセンター付近に写るというものですが、ドットサイトの特性として、少し離れて見ないと正確に捉えられないのです。



このような感じで構え、まさに左腕をライフルの銃床(ストック)のように固定して右手でシャッターを押すという感じで操作します。このポジションのデメリットは腕が疲れやすいということで、長時間の保持や目標の追随は困難です。



ビューファインダーを使用する際はこのように構えます。腕を伸ばして保持するよりは疲れにくく、より長時間の保持、撮影が可能です。



こちらがオリンパスのサイトで紹介されているドットサイト照準器「EE-1」とEVFを併用するためのセッティングです。野鳥撮影のためのセッティングとして紹介されていますが、照準器で対象を捉え、ファインダーで覗きながら撮影できるので、野鳥だけでなく航空機にも応用できそうです。



とはいえ、このタイミングでは知りえなかったセッティングでしたので、シューに取り付けての撮影を継続しました。若干疲れやすいのを除けば、ドットサイト照準器は十分に実用的で便利でした。

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F-15のような大型の戦闘機は、比較的カメラでも追いやすくピントも追随しやすい被写体です。

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一回り小さいF-2戦闘機は、若干捉えにくい部分も。

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特に、こちらに向かってくる時や、急にひねって方向を変えるなどの戦闘軌道をとるとAFが外れたり、単焦点ゆえにフレームから外れてしまうことも。

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レッドブル・エアレースのチャンピオン室屋義秀選手のデモフライトでは、レシプロ機ということや、イベント後半で慣れもありほぼファインダーに捉えることができました。

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ただし、急上昇からの急旋回など、アクロバット飛行の際には、フォーカスを外すこともありました。曇り空に銀色の機体と、難易度の高い被写体ではありましたが、ドットサイト照準器のおかげで捉え続けることができたのと、AFの追随性は結構粘ってくれた印象です。



D850での撮影は、50mmから500mmを調整して撮影できたので、接近してきた航空機をフレームにおさめるということは比較的容易でした。しかし、設計も古いレンズですのでフォーカススピードや周辺が暗くなるなど限界も感じました。



ドットサイトを使用しない反面、広めの画角で待機して捉えたらズームしてゆくという方法が使えたので、撮影対象の追随しやすさは同じくらいに感じました。一方で、焦点距離を変化させるのでフォーカスが遅れたりフォーカスが迷う挙動の時も。







曇り(小雨)と晴れが交互に訪れるあいにくの天気でしたが、晴れたタイミングや離着陸時など、コントラストが明瞭な場合にはそれなりに撮れました。しかし、曇天の空に溶け込むような塗装の機体を追うのは至難の技。



せっかくの高解像度機なのに、パリッとした解像感が得られなかったのが残念でした。半分以上(ほとんど)は、自分の腕の問題ではあるのですが、良い望遠レンズが欲しいと思いました。