睡眠時間を十分に確保しているのに、疲れが取れずスッキリしない……なんてことはありませんか? また、朝起きると首や肩が痛いという人も要注意。そういう場合、枕があっていない可能性があります。

人生の1/3〜1/4を占める睡眠。そのクオリティを上げることは、起きている時間の生活クオリティを上げることにもつながります。そのためにも、「自分にあう枕」を手に入れるべし!

「でも、自分にあう枕ってお高いんでしょ?」……そんなことはありません。タオルとバスタオルを数枚ずつ用意するだけでOKなんです! 今回は「自分にあう枕」の自作方法について、インストラクター・マッサージ師として活躍する月詠先生に解説していただきました。

【アドバイザー】月詠

フリーライターにして実業家。交通事故の後遺症を克服すべく、リハビリやトレーニングについて勉強と実践を継続。その結果、人体のしくみに詳しくなり、いまではトレーナーやマッサージ師としても活動中(後遺症は完治した)。Twitter

理想的な枕は人によって違う

枕というのは曲者で、人によって理想的な形が異なります。一般的に良いと言われている低反発枕も、頭が沈み込むことで蒸れてしまい、頻繁に寝返りをうって眠りが浅くなり、疲れが取れないという人もいます。

包まれるような安心感がある大きな枕を好む人もいますが、体にあっていないと意味がありません。大きすぎたり高すぎると、顎が下がる形になって気道が圧迫されます。これにより血液の酸素飽和度が下がって、睡眠の質が下がってしまうんですね。

寝苦しさを感じたり、変に汗をかいている人は、気管支が圧迫されている可能性があります。また、イビキが酷い人も同様。そのまま放置していると、睡眠時無呼吸症候群へと移行する可能性もあるので、特に注意が必要です。

それらを解決するためにも、自分の体の形状(頭から首、背中にかけて)に沿ったラインを持つ枕がベストです。でも、そういうのってほぼ特注品になってしまうため、価格もお高いんですよね……。

そんなときにオススメしたいのが、枕の自作です。必要なものはタオルとバスタオル。それぞれ、最低2枚以上用意しましょう。

タオルで理想の枕を作る!

タオルとバスタオルを使って以下のパーツを作り、組み合わせればOK。

タオル:首を支えるパーツタオル:頭を支えるパーツバスタオル:寝返り用の高さを出すパーツ(右側)バスタオル:寝返り用の高さを出すパーツ(左側)

人によってベストな高さは異なるので、タオルを追加するなどして厚みを調整してください。

左右のパーツは、ちょっと高めにします。寝返りをうつと、肩の厚みが加わり、頭の位置が高くなるからです。

この枕は、筆者が入院生活中に考案したもの。当時、備え付けの枕が合わず、よく眠れないので困っていました。幸い、病院の入院棟にはタオルとバスタオルが沢山あったので、いろいろ試すことができ、最終的にこの形に。おかげで、入院中の睡眠の質をかなり改善できましたよ!

理想の枕のチェックポイント

完成したものが「自分にあった枕」かどうかは、以下の2点をチェックしてください。

仰向け時、顔が真上を向き、気管が圧迫されない横向き時、頭部、首、背中にかけて背骨が一直線になる

うまくバランスが取れていれば、寝起きの際の体の調子が改善されていくはずです。

仕上げにバスタオルをかければ、意外と崩れない

この自作枕を使用する際は、敷布団・マットレスの上に配置したあと、上に大きめのバスタオルを1枚かけるといいでしょう。これだけで、意外と形は崩れないものなんです。

どうしても崩れてしまう場合は、各パーツを糸で簡単に仮縫いし、枕カバーに入れてしまうという手もあります。洗濯の際にはバラし、改めて縫い合わせる必要があるので、少々面倒にはなりますが……。

というわけで、枕が合わないと悩んでいる方は、ぜひ試してみてください。睡眠の質が向上すれば、起きている時間がより充実したものになりますよ!