左から台湾高座台日交流協会の何春樹副理事長、日本台湾交流協会台北事務所の沼田幹男代表

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(台北 2日 中央社)秋の外国人叙勲で旭日小綬章を受章した「台湾高座台日交流協会」の何春樹副理事長(88)への勲章伝達式が1日、日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会台北事務所代表公邸(台北市)で行われ、沼田幹男代表(大使に相当)から勲章と勲記が手渡された。

「この上なく光栄だ」と喜びを語った何氏は一方で、「台湾は価値観を共有し緊密な経済関係と人的往来がある重要なパートナー」とする安倍晋三首相の発言に言及。米国を除く環太平洋経済連携協定(TPP)参加11カ国による「TPP11」について、参加を目指す台湾を支援するよう日本政府に呼び掛けた。

「台湾」名義での国連加盟も強く望む何氏。1952年発効のサンフランシスコ平和条約については、日本政府は台湾の所有権を放棄しながらもその返還先を説明していないと主張。日本政府には「台湾の主権は台湾の人々に返すと世界に堂々と言ってほしい」と期待を示した。

日本統治時代生まれの何氏は1943年、少年工として「高座海軍工廠」(神奈川県)で戦闘機製造に従事した。戦後台湾に戻り、1982年に高座時代の仲間たちと同窓組織を結成。持続的な親善活動を通じ、台湾における日本理解の促進に貢献したことなどが評価されて今回の受章が決まった。

沼田代表は、何氏が1969年から中部・台中市の市議を9年間務めたほか、1993年から3年間、国民大会(国会に相当、2005年に廃止)代表として当時の李登輝総統を支え、民主改革に取り組んだと紹介し、氏の功績をたたえた。

(楊明珠/編集:塚越西穂)