【エンタがビタミン♪】『ウチの夫』最終話で真意が明らかに 『男がつらいよ…』の田中俊之氏「とても素敵なラスト」
小林司(つかポン)と小林沙也加(サーヤ)夫妻を錦戸亮と松岡茉優が演じた日本テレビ系土曜ドラマ『ウチの夫は仕事ができない』が、9月16日に放送された第10話で最終回を迎えた。司が企画した“男ってつらいよ講座”で話す場面はドラマタイトルの真意が分かる感動的なもので、第7話「仕事に家庭に男はつらいよ!?」のヒントとなった『男がつらいよ 絶望の時代の希望の男性学』の著者で社会学者の田中俊之氏も「とても素敵なラスト」とツイートしている。
第1話は妻・沙也加が大手イベント会社・マックスエンターテインメントで働くエリート社員であるはずの夫・司に忘れ物のスマホを届けに行き、実は司が「仕事ができない奴」「お荷物社員・ニモちゃん」と陰口を叩かれていることを知る。それでも「一緒に頑張ろう」と夫を励まし、司も妻の妊娠が分かり奮起する。司は新しく異動した第一制作部で「ニモちゃん」とバカにされながらも、相手のことを思いやるピュアな人柄から小さな取引を成功させていく。やがて社長賞をもらうまでになるが、今度は仕事に集中して家庭を顧みなくなってしまう。
第9話の流れから「仕事ができない」夫が「仕事ができる」夫への成長物語になるかと思われた。しかし小林司を通して本当に伝えたかったのはそれだけではないことが分かる。第10話では沙也加が出産して父親となった司は仕事もそこそこに育児に励む。帰りが遅くなりそうな時は昼休みに帰宅して「今のうちに沐浴しようと思って」というほどだ。そんな夫を見て妻は「本当は仕事をしたいのに、無理をして育児を協力しているのではないか」と心配するのだった。
沙也加の誤解に気づいた司は自ら企画した“男ってつらいよ講座”に誘う。ところが講師の野田山修教授が飛行機のトラブルで来られなくなり、集まった子育て世代の男性たちに詫びた司は自ら思いを話し始める。
自身も子どもが生まれて父親となり“仕事と家庭”で苦労する人々の声に強く共感した。たとえば「これからがキャリアという正念場な時に育休をとりました。この時期のブランクは今後に影響すると考えると“育休”は本当に家族のためになるのか…」や「妻が高熱を出したので定時に上がって保育園に子どもを迎えに行き、風呂に入れ夕飯を食べさせました。ふと電話を見ると上司から着信が10回以上、『電話に出ろ! 仕事はどうした!』という怒鳴り声が留守電に残されていました」といった経験である。
仕事と家庭の板挟みで辛さや苦しさを感じている人々が「日々がこれでいいんだ」と思えるように話してもらおうと、野田山教授と打ち合わせを重ねるうちに教授が伝えたかったであろう言葉を覚えたという。司が穏やかながら熱く話した内容は十数分に及んだ。その概要は「10年後に子育てが終わり仕事に専念できるようになる頃には、僕たちの脚にしがみつき膝によじ登ってくる小さなあの子はいません。子育てができるわずか数年間に数え切れないほどの愛おしさが、思い出がたくさん散りばめられている」というものだ。
司自身は仕事も楽しくて頑張りたいが「仕事より大切なものに気が付いてしまった」「僕の人生の中で仕事が一番にこない、家族が一番にきてしまう」と明かす。さらに世間ではもしかすると仕事を一番に考えられない人間は“できない人”と呼ばれるかもしれないと続け、会場で聴いていた沙也加を見ながら「だとしたら僕は胸を張って妻に言います!」「僕は仕事ができません!」と微笑みさらに2人の絆を強めた。
クライマックスの後は夏に行われた司の後輩社員・田所陽介(薮宏太)と司の姉・小林みどり(江口のりこ)の結婚式・披露宴へと場面が移り、マックスエンターテインメント第一制作部や関係者全員によるミュージカル風ダンスで華やかにエンディングへ向かった。
田中俊之氏はドラマを毎週楽しみに見ていたようで、最終回が終わるとツイッターで「40年間働き続けるのが“普通”とされる男性にとって、“仕事ができない”のは厳しいことです。会社だけではなく家庭でさえ居場所を失うかもしれない。でも、“僕は仕事ができません”という司の言葉には、明るさがありました。とても素敵なラスト」とつぶやいている。
画像は『【公式】ウチの夫は仕事ができない 2017年9月16日付Instagram「サーヤもだけど…あかりのお腹もパンパン!!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)
第9話の流れから「仕事ができない」夫が「仕事ができる」夫への成長物語になるかと思われた。しかし小林司を通して本当に伝えたかったのはそれだけではないことが分かる。第10話では沙也加が出産して父親となった司は仕事もそこそこに育児に励む。帰りが遅くなりそうな時は昼休みに帰宅して「今のうちに沐浴しようと思って」というほどだ。そんな夫を見て妻は「本当は仕事をしたいのに、無理をして育児を協力しているのではないか」と心配するのだった。
沙也加の誤解に気づいた司は自ら企画した“男ってつらいよ講座”に誘う。ところが講師の野田山修教授が飛行機のトラブルで来られなくなり、集まった子育て世代の男性たちに詫びた司は自ら思いを話し始める。
自身も子どもが生まれて父親となり“仕事と家庭”で苦労する人々の声に強く共感した。たとえば「これからがキャリアという正念場な時に育休をとりました。この時期のブランクは今後に影響すると考えると“育休”は本当に家族のためになるのか…」や「妻が高熱を出したので定時に上がって保育園に子どもを迎えに行き、風呂に入れ夕飯を食べさせました。ふと電話を見ると上司から着信が10回以上、『電話に出ろ! 仕事はどうした!』という怒鳴り声が留守電に残されていました」といった経験である。
仕事と家庭の板挟みで辛さや苦しさを感じている人々が「日々がこれでいいんだ」と思えるように話してもらおうと、野田山教授と打ち合わせを重ねるうちに教授が伝えたかったであろう言葉を覚えたという。司が穏やかながら熱く話した内容は十数分に及んだ。その概要は「10年後に子育てが終わり仕事に専念できるようになる頃には、僕たちの脚にしがみつき膝によじ登ってくる小さなあの子はいません。子育てができるわずか数年間に数え切れないほどの愛おしさが、思い出がたくさん散りばめられている」というものだ。
司自身は仕事も楽しくて頑張りたいが「仕事より大切なものに気が付いてしまった」「僕の人生の中で仕事が一番にこない、家族が一番にきてしまう」と明かす。さらに世間ではもしかすると仕事を一番に考えられない人間は“できない人”と呼ばれるかもしれないと続け、会場で聴いていた沙也加を見ながら「だとしたら僕は胸を張って妻に言います!」「僕は仕事ができません!」と微笑みさらに2人の絆を強めた。
クライマックスの後は夏に行われた司の後輩社員・田所陽介(薮宏太)と司の姉・小林みどり(江口のりこ)の結婚式・披露宴へと場面が移り、マックスエンターテインメント第一制作部や関係者全員によるミュージカル風ダンスで華やかにエンディングへ向かった。
田中俊之氏はドラマを毎週楽しみに見ていたようで、最終回が終わるとツイッターで「40年間働き続けるのが“普通”とされる男性にとって、“仕事ができない”のは厳しいことです。会社だけではなく家庭でさえ居場所を失うかもしれない。でも、“僕は仕事ができません”という司の言葉には、明るさがありました。とても素敵なラスト」とつぶやいている。
画像は『【公式】ウチの夫は仕事ができない 2017年9月16日付Instagram「サーヤもだけど…あかりのお腹もパンパン!!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)