iOSでアプリを強制終了するのは無意味で、むしろバッテリーを消費してしまう
By Hamza Butt
バッテリーの減りを防ぐために、iPhoneのホームボタンをダブルタップして使っていないアプリを強制終了させている人もいると思いますが、実はこの行動はほとんど意味がなく、むしろ無駄にバッテリーを消費してしまうという結果につながるものとなっています。
Daring Fireball: Public Service Announcement: You Should Not Force Quit Apps on iOS
「使っていないアプリを落とすことでプロセッサとメモリ消費を減らそう」と考えるのはごく自然なことではありますが、iOSは設計上、動作していないアプリを自動的に「凍結」するようになっており、効率的にリソースの消費を抑えられるようになっています。その効果は非常に高く、むしろ「アプリを落とす」という行為によってCPUリソースとバッテリーがより多く消費されてしまうほどとのこと。
Appleのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長でiOSの主要開発陣の1人に数えられるクレイグ・フェデリギ氏はユーザーからの「マルチタスク状態のアプリを終了させてバッテリーの減りを避けていますか?」という質問に対して「答えはどちらもノーです :-)」と答えています。
このことは、Appleのサポートページでも同様のことが述べられています。
iPhone、iPad、iPod touch で App を強制終了する - Apple サポート
Appleのサポートページの記載によると、アプリの強制終了が推奨されているのはアプリが反応しなくなった場合のみで、バックグラウンドに回っているアプリはマルチタスクで使えるようにスタンバイモード(凍結)になっているとのこと。
ブログ「Daring Fireball」によると、2010年にはスティーブ・ジョブズ氏がこの件について触れており、MacDailyNewsに宛てたメールで以下のようにアプリを終了させる必要がないと述べています。
Just use [iOS multitasking] as designed, and you’ll be happy. No need to ever quit apps.
(訳) (iOSのマルチタスキングについては)設計どおりに使うだけで満足できるはずです。アプリを終了させる必要はもうありません。