7回無安打零封快投も…ソフトB松坂、摂津と共に開幕ローテ落ち決定
松坂好感触、工藤監督高評価も…倉野投手コーチ明かす「外れたと伝えました」
ソフトバンクの松坂大輔投手が25日、オープン戦最後の登板で7回ノーヒットの快投を演じた。18日の西武戦(メットライフ)で4回途中に右内転筋に張りを訴えて途中降板していた右腕だが、幸いにも症状は軽く、中6日で広島戦に先発。7回まで投げ、許した走者は四球で出した2人だけ。三塁すら踏ませない投球に「結果も内容も求めらている中で、最後の最後でいい形、いい内容になって良かった」と納得の表情を浮かべた。
「前回途中降板してしまったけど、いいキッカケになりそうなボールがあった。それを数多く出せたらいいなと思っていた」
注目の立ち上がり。この日は前回の西武戦同様、ノーワインドアップでの投球でスタートさせた。初回、先頭の安倍は125キロのチェンジアップで中飛。続く小窪は120キロのスライダーで左飛。丸には3ボール2ストライクから四球を与えたが、新井への3球目、盗塁を狙った丸を鶴岡が刺し、結果的に3人で切り抜けた。
2回は危なげなく三者凡退に切った。2死からはエルドレッドをこの日最速となる高めへの142キロのストレートで空振り三振を奪った。3回は先頭のペーニャに、いきなりストレートの四球を与えて走者を背負ったが、石原を三ゴロ、投手の岡田を中飛、安倍を三ゴロと後続を抑えた。
「3回くらいからテンポが良くなったと思う。なんとなく、ちょっと真ん中寄りにした方が投げやすいかなと。ゲームで投げている中で、コントロールしやすかった」
工藤監督は「新しい投球スタイルが出来た」と高評価も…
試合中にプレートの一塁側に置いていた軸足を少し真ん中寄りに変えた。これまでの経験値に裏付けされた修正力により、一段と投球内容は安定した。
4回以降は1人の走者も許さない完全投球。5回2死からペーニャを外角いっぱい、ボールからストライクに入ってくるカットボールで見逃し三振。6回は先頭の相沢をインハイへの139キロで、続く岡田は内角低めへのスライダーで空振り三振。最後は安倍を外角低めいっぱいへのカットボールで見逃し三振。圧巻の4者連続三振を奪い取った。
「6回を終わったときに『どうする?』と聞かれて、シーズンの継投のこととかもあるから任せますと答えた。(投手コーチの)佐藤さんが『もう1回行け』と」と上がった7回のマウンドも、味方の好守にも助けられて三者凡退。102球を投げ、被安打ゼロ。2四球、6個の三振を奪う快投だった。
この快投には、工藤公康監督は「本人もいい感触だったんじゃないかな。躍動感も出てきたし、テンポも良かった。あそこまでの投球が出来たのは、本人の自信にもなったんじゃないかな。これからの期待をさせてもらった。新しい投球スタイルが出来たんじゃないかなと思います」と、手放しで高評価を与えた。
オープン戦最後の登板で、これ以上ない結果を残したが、非情にも、この日の試合後に開幕ローテから外れることが決まった。倉野信次投手統括コーチが「松坂と、摂津は開幕ローテからは外れたと伝えました。ただ開幕ローテの6人に何かあったらすぐに投げられるように準備してほしい」と明らかにした。「今日の投球は1軍で十分戦力として抑えられる投球だった」と同コーチ。今後はファームで調整し、1軍登板のチャンスを待つことになった。
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福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani