打者一巡のビッグイニングで淑徳が都立小川を制する!

4番河野(淑徳)

 春季東京都大会の本戦出場を賭けた、21ブロック予選決勝の都立小川対淑徳の対戦が桜美林高グラウンドで行われた。淑徳・米澤と、都立小川・高橋大[の両先発でスタートしたこの試合は、いきなり初回から動く。1回表、都立小川は2番の中込がライト前ヒットで出塁すると、すかさずスチールで二塁を陥れる。二死となり迎えたのは4番の齋藤 元。新2年生ながら4番を託される齋藤は、「勝負強い」と指揮官の足立監督も高く評価をしているが、その持ち味がここでも発揮された。5球目を右中間へ運び、タイムリー二塁打で都立小川が先制に成功。

 都立小川の先発・高橋は、カットボールのように小さく動く直球が特徴。先制点を味方にもらい、序盤は3回までパーフェクトの完璧な投球を見せていたが、4回裏ついに淑徳打線につかまってしまう。淑徳の1番清水が内野安打でチーム初の出塁をすると、続く中駄もレフト前に運び、エラーも絡んで清水が一気に生還し同点。なおもチャンスは続き3番島谷、4番河野が連続タイムリー二塁打を放ち鮮やかに逆転に成功する。その後も、四球やバントヒットなどでつながり二死満塁で再び1番の清水。これをしっかりセンターにはじき返し6対1と一気に都立小川を突き放した。

 淑徳の中倉監督は、「今年のチームはバットを振り込んできたので、結果的に打撃力のチームになった」と語っているが、そのチームの強みがこのイニングに集約された。序盤は黙り込んだがこのイニングで一気に勝負を決め、7対2で都立小川を振り切った。都立小川は4回に崩されながら、序盤の攻撃と投球を含め淑徳に引けを取らない戦いを見せたが、やはりビッグイニングが効いた形となった。

 本大会進出を決めた淑徳は日大桜丘との対戦が決定した。秋の大会ではブロック予選で対戦し1安打に抑えられ、結果的にスリーラン一発に泣いた試合を経験しているだけに、淑徳はリベンジに燃えている。本戦でも淑徳は持ち味の打撃力を見せ、雪辱を果たすことができるか?戦いは続く。

(取材・写真=編集部)

注目記事・2017年度 春季高校野球大会特集