県立大湊高等学校(青森)
■下北半島から甲子園を目指す大湊!県立大湊高等学校は、青森県むつ市大湊大近川にある高校だ。有名俳優・松山 ケンイチさんやロンドン五輪で陸上日本代表として出場した岸本 鷹幸さんの母校としても知られている。近年の野球部の活躍は目覚ましく、昨夏の青森大会では青森山田、八戸工大一、弘前学院聖愛と強豪を立て続けに破って、2009年以来となる決勝進出。八戸学院光星に敗れ準優勝に終わったものの、「大湊旋風」を巻き起こし、全国の高校野球ファンに大きなインパクトを与えた。
2010年以降、夏の大会では2度のベスト4位入りを経験し、昨秋の県大会では強豪・青森山田に敗れるもベスト8に名を連ね、この夏も躍進に期待がかかる。「下北半島から甲子園」を目指す大湊の冬の取り組みを紹介したい。
■大湊野球部の基本情報現在2年生14名、1年生10名とマネージャー2名で活動する野球部。青森県といえばやはり雪国。「冬は雪がすごいので、雪を固めて走ったり、体育館や廊下などでトレーニングをしたりしています」と語るのは主将の畑山 球人選手。雪国の冬のトレーニングは、雪との付き合い方が重要だ。
■チームの強みは?畑山主将は、チームのウリについて「個性の強さ」「チームの意識がまとまった時の力」「夏の大会の経験者の多さ」の3つを上げてくれた。また昨秋の大会では、投打ともに圧倒する試合が多く「点ではなく、線になった時の攻撃力が誇れる」と気づくことができた。
昨年の夏の大会では決勝に進出した大湊。決勝で敗れて悔しい思いを味わったメンバーも多く、畑山主将もその1人。「昨年の夏と同じ思いはしたくないので、去年のチームより強くなって、甲子園に出場します」とその目標を明かしてくれた。
■大湊の秋の戦いと冬のトレーニング印象深い試合として畑山主将は、昨秋の青森山田戦を挙げてくれた。「前半はヒットが出なく、先制点を取られ苦しい展開でしたが、6回にヒットが出て1点差にまで詰め寄ることができました。でも次の回に3点を取られてしまって、投手陣の弱さが露呈してしまった試合になりました」
投手力が課題となった。このオフシーズンには、「去年のオフよりも質を高めた練習をして、前のチームよりもよい結果を残すこと」を目標にしている大湊。前年のチームは今のチームにとってお手本となる存在となっている。
「後半の勝負強さ、我慢強さ、集中力が素晴らしくて、ほとんどの得点が試合の後半にとって逆転できるところが前チームの凄いところだと思います」と畑山主将が話すように、今年のチームもその後半の勝負強さを継承していきたいと考えている。
秋の大会で活躍が光った選手は高橋 奎伍選手。公式戦、練習試合問わず、打撃、守備で目立った活躍を見せてチームを引っ張った。畑山主将は高橋選手にかなり期待しており、春以降のキーマンとして高橋選手の名前を挙げてくれた。他では工藤 我玖斗選手や、芯に当たった時の長打力が素晴らしい坂本 恒太朗選手の活躍にも期待をしていた。
そんな大湊の冬の名物練習はというと、ずばり「タイム走」。3つのチームに分かれて、設定されたタイム内に全員がゴールしなければならないというこのメニューは、選手たちの前に立ちはだかる。
■この冬の意気込み!夏の経験者の畑山 球人主将は、「昨年の夏のような思いは一生したくないので、去年よりも効率と質を上げた練習をして、甲子園に出場します」と意気込みを語ってくれた。今年は確かな実力を身に付け、悲願の甲子園出場を達成する。
当たり前なことを当たり前にできる選手になっていきたいここからは、副主将を務める二塁手の川岸 悠人選手に伺いました!
川岸 悠人選手(県立大湊高等学校)
Q. 昨秋を振り返って、見つけた課題は何でしょうか?
川岸:まずは投手力。守備範囲の狭さや予測、反応の遅さに課題を感じました。打撃面で言うと、ヒットを打つ技術や、レベルの高い投手への対応力が足らないと思いました。
Q. さまざまな課題が見つかったんですね。それではこの冬はどんな冬にしていきたいと考えていますか?
川岸:技術と体力において個々のレベルアップが必要です。また自分の時間が多くなるので「野球」をもっと知り、いろいろな情報を仕入れて行動に起こしていきたいです。
Q. 野球をする上で大事にしている考え方はありますか?
川岸:どんな一流の選手でも失敗はつきものなので、「一回の失敗にとらわれず、反省し切り替えてチャレンジする」ことをモットーにしています。
Q. 失敗を生かして次にチャレンジしていく姿勢は大事ですね!このチームの好きなところや、他に負けていないところはどんなところですか?
川岸:繋がったときの打線や、盛り上がった時の雰囲気は他のチームに負けません。みんな個性が強いところはとても好きですね。
Q. では最後に、このオフシーズン「自分はここまで成長する」という熱い宣言をお願いします!
川岸:打者として勝負強くなり、エラーをしない堅実な守備ができるプレーヤーになるためこの冬トレーニングしていきます。また、人間的にも成長し当たり前のことを当たり前にして、チームをまとめる役割としても行動していきます!
川岸選手ありがとうございました!
練習風景(県立大湊高等学校)ここ一番の集中力がカギ後藤 駿平コーチに聞きました!
Q. 秋の大会の振り返り、それを受けての冬のテーマについて教えてください。
秋の大会では、ここ一番の集中力不足が原因で、敗退してしまいました。また体の大きさ、打球、スイングスピードにおいても物足りなさを感じました。そこで、とにかくまずは「体を大きくすること」から始めました。トレーニングを積み、食事と休息をしっかりと取って体を大きくすることがこの冬のテーマです。並びに「集中力を持続させること」も冬のテーマとして掲げ、単純な反復動作をひたすら続けることを組み込んだ練習もしています。
Q. これから冬の厳しい冬のトレーニングに挑む選手たちにメッセージをお願いします。
自分を追い込むチャンスです。「敵は己」の言葉を忘れず、個人闘争を戦い抜いてください。
後藤コーチ、ならびに大湊高等学校野球部の皆さまありがとうございました!
今年も大好評!【冬が僕らを強くする 特設ページ】各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!