凍てつくような寒さのなか、2部を相手に延長戦まで戦い、試合後のインタビューでもメディアに待たされたら…トリノFWマキシ・ロペスのような対応になるのも無理はないかもしれない。

トリノは11月29日、コッパ・イタリア4回戦で2部ピサと対戦した。ミッドウィークの格下との一戦とあり、シニシャ・ミハイロビッチ監督はエースのアンドレア・ベロッティや守護神ジョー・ハートを休ませる。だが、トリノは元イタリア代表のジェンナーロ・ガットゥーゾ監督が率いるピサを相手にホームで苦戦。90分間を0-0のスコアレスで終えた。

試合がようやく動いたのは延長戦。93分に途中出場のアデム・リャイッチが均衡を破ると、111分にM・ロペスが決定的な追加点を奪う。今季のセリエAでは出場6試合、先発はわずか1回のみとチャンスに恵まれない32歳のベテランストライカーにとっては、うれしい今季初ゴールだ。

その後2点を加えたトリノは、最終的に4-0と勝利。ミハイロビッチ監督は試合後に苦言を呈したが、いずれにしてもチームは5回戦進出を決めた。

試合後、M・ロペスはイタリア国営放送「Rai」のサッカー番組でインタビューに呼ばれる。スタジオでの話が続くなか、120分を戦い終えたM・ロペスは、凍えるような寒さのトリノで出番を待つ。

しかし、我慢も限界だったようだ。ようやくスタジオからスタジアムに話が振られ、レポーターが「寒いですね」と話を振った瞬間、M・ロペスは左手を上げて“ギブアップ”。一言も話さないまま、その場を立ち去ってしまう。レポーターは何とか呼び止めようとしたが、M・ロペスは戻らなかった。

今季初得点を含む試合での活躍を受け、「Rai」はオマージュとしてM・ロペスをインタビューに指名したのかもしれない。だが、選手は一刻も早く温かいシャワーを浴びたかったようだ。