学生の窓口編集部

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大人同士のマナーの基本としては、最低限「正しい敬語」を使うことが求められます。敬語とは、相手を不快にさせないために使われるもの。「丁寧に話せばいいんだよね?」なんて単純に考えがちですが、実は非常に奥が深い世界。今回紹介するのは、近年話題のバイト敬語について。正しい言葉遣いをマスターしてバイトで使えるようになりましょう。

■どこでも使う「〜円になります」だけど……?

コンビニでもスーパーでもファミレスでも……お会計のときに「〜円になります」と言われた経験はありませんか? ごく普通に提示された金額を支払い、お釣りやレシートを受け取って、お買い物終了!……としたいところですが、実はこの「〜円になります」は、バイト敬語の一つ。若いアルバイト店員が敬語を無理やりに使用した結果、どこか不自然さを抱かせる言葉になっているのです。

「〜円になります」の「なります」は「成る」という言葉からきています。「成る」という言葉は、何かから何かに変化したときに使われる言葉。「〜円になります」という言い回しをされると、「何かが変化したわけでもないのに……」と違和感を抱いてしまうのですね。一方で「合計で〜円になります」という言葉は、必ずしも間違いではありません。「代金を計算した結果、合計が〜円になります」という意味ですから、一応筋は通っていることになります。

とはいえ、結果としての意味でわざわざ「成る」を使わなくても、シンプルに「です」を使えばいいのですから、相手を混乱させる必要はありません。いちいち不快にさせないためにも、正しい言い回しを頭に入れておきましょう。

■正しい言葉⇒「〜円でございます」

「〜円になります」というフレーズになじんでしまうと、「ではいったい、どんなフレーズを使えばいいの!?」と戸惑う方もいるでしょう。こんなときには「〜円でございます」と伝えればOKです。不必要な言い回しを取り除くと、シンプルで美しいフレーズになります。

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また、より単純に「〜円です」としてもいいでしょう。なんとなく物足りないように思うかもしれませんが、「です」で相手に対する丁寧な気持ちを表現していますから、なんの問題もありません。

■バイトなら許されても、社会人になると許されない! 直し方は?

バイト敬語が氾濫する今、「正しい言い回し」を理解しないまま、社会人となる方も多いはずです。しかし残念ながら、バイト敬語はビジネスの場では通用しません。正しい言葉を、再度覚えなおす必要があります。とはいえ「〜円になります」というフレーズが耳になじんでしまっている方が、突然「〜円でございます」と言い方を変えるのは、簡単なことではないはず。正しい敬語を使うためには、まず自分の口で実際に言ってみることが大切です。最初は違和感を覚えるかもしれませんが、何度も意識して使っている間に、「〜円でございます」が定着するでしょう。

数多く存在するバイト敬語は、学生のうちに、一つずつ正しておくのがおすすめです。まずは「〜円になります」から、正しい言葉で伝えられるよう意識してみてくださいね。

(ファナティック)