1

かつて核戦争が起こった場合に、アメリカ大統領が避難する可能性もあった対核兵器施設であるカルぺッパーの核バンカーには、その隔離能力を活かして過去に撮影された大量の映像フィルムが保管されています。後世に記録を残し続けるために、大量の映像フィルムが想像以上に厳重な体制で保管されている様子を明らかにしたムービーが公開されています。

The Nuclear Bunker Preserving Movie History - YouTube

アメリカ・バージニア州カルペッパーにある、核兵器からの影響から待避するために作られた核バンカー。



厳重な扉と……



何重にもかけられたセキュリティガード。かつては金を貯蔵するためにも用いられていたとのこと。



核戦争が起これば、アメリカ大統領が逃げ込むこともあり得たこの施設は……



もはや核兵器対策のためにあるわけではありません。



現在、施設に保管されているのは……



14万4000本以上もの映像フィルム。



「カサブランカ」「フランケンシュタイン」などの過去の大作映画などの貴重なフィルムが眠っています。



建物の名前は「Library of Congress Packard Campus(Packard Campus)」



目的は、貴重なアメリカの映像フィルムを保管し後世に残していくこと。



管理代表者はジョージ・ウィルマン氏。



施設内には映像フィルムに関する技術者が働いています。



フィルムを最高の状態に保ったり……



もはや製造されていない映写機をメンテナンスしたり。時には欠けてしまった一部のフィルムを再現することさえあるとのこと。



Packard Campusは映像フィルムの保管場所でもあり、修復施設でもあるのです。



中でも最も古い映像フィルムの取り扱いは厳重に行われています。



「NITRATE(ナイトレイト)」という黄色いシールが貼られた映像フィルムは、取り扱い注意の映像フィルムです。



まるで監獄のような厳重な体制で管理されているナイトレイト・フィルム。



フィルム同士も隔離するようにして管理しているとのこと。



銃で使われる火薬のガンパウダーと同種の材料が用いられているナイトレイト・フィルムは、それ自体が非常に燃えやすいため取り扱い注意の品というわけです。



100年以上も時間が経ったナイトレイト・フィルムに対しては、過信することなく最悪の事態を想定して取り扱う必要があるとのこと。



古いナイトレイト・フィルムを手に取るウィルマン氏。



古きよき時代のフィルムについて、「形式的に言えば金銭的価値は低いかもしれないが、歴史的価値は極めて高い」と述べています。



常に古い映像フィルムに囲まれることこそ、ウィルマン氏がPackard Campusで働く理由だとのこと。



自分の使命を、「『私たちが何を持っていたのか、私たちはどんな人間だったのか、私たちは何をしてきたのか』を忘れないように記憶にとどめるために、歴史的に貴重な映像フィルムを保存していくことだ」と述べています。