2016年9月27日放送の広島ホームテレビ「Jステーション」では、数が増えすぎて有害鳥獣の扱いを受けているというカワウの被害を減らすため、県内で初めてドローンを使った対策がとられたことを放送しました。

鵜というと、鵜飼いを思い浮かべる人も多いですが、鮎とりをするのはウミウで、現在広島県で数が増えすぎて有害鳥獣の扱いを受けているのはカワウです。

カワウ(nuboboさん撮影、Flickrより)

江田島市農林水産課によると、泳ぎが遅かったり隠れるのが苦手な魚、メバルやカレイなどがカワウに狙われ被害が出ているといいます。江田島市では年間約500万円の漁業被害がでているということですが、その多くにカワウの影響があるということです。

また、河川の被害も深刻だといいます。県内水面漁協によると、カワウに食べられる鮎は、年間約5000万円相当になるといいます。

カワウは、県内各地に30以上のねぐらがあり、去年12月には約3800羽が確認されたということです。これまでも漁協は、捕獲や追い払いなどをおこなってきましたが効果は低かったといいます。

そこで9月27日、県内で初めてドローンによる対策がおこなわれました。ドローンにビニールひもを取り付け、ねぐらとなっている木の枝に巻きつけていきます。風でビニールひもがだす大きな音が、カワウに恐怖心を与えるということです。

漁業関係者は、「ドローンの対策は大賛成。見たとおりカワウがいっぱいいるが、ゼロに近いのがあるべき姿だと思う」と話しました。

今回の対策に携わった中央水産研究所の坪井潤一研究員によると、今が鮎の産卵時期で、カワウから鮎を守るためにこの時期に対策をとる必要があるということです。

他にも、ドローンにスピーカーをつけて銃声を鳴らすことや、巣の中にドライアイスを運び卵の孵化を防ぐという対策もおこなえるということです。県水産課によると、先進的な事例の先生を招いて最新的な対策で被害を軽減できればということです。

しかし専門家によると、捕獲しすぎると今度は生態系に影響がでるため、広島県全体でカワウの個体数と生息状況をどう管理していくかを決めることが大事だということです。

県内の漁業被害が少しでも改善されればいいですが、生態系のバランスを崩さないように人間が介入しなければならないなと感じました。(ライター:わがママ)