唯一の震災遺構「荒浜の思い出」を撮る地元男性
[OH!バンデス-ミヤギテレビ]2016年9月20日の放送では、故郷荒浜の歴史を途切れさせまいとその様子をカメラに収める、ある男性の想いについて放送されました。
荒浜の景色。本文の写真とは関係ありません(Yuichi Kosioさん撮影、flickrより)
仙台市では唯一の震災遺構である旧荒浜小学校の保存工事が始まりました。校舎は約2億円の総工費で極力手を加えず保存し、津波の脅威や教訓を伝える考えで、教室では展示を行う方針です。
「故郷の歴史を途切れさせまい」
荒浜小卒業生の佐藤さんは、趣味で自然の風景を撮影してきましたが、東日本大震災後、故郷の歴史を途切れさせまいと荒浜だけを撮り続けています。
佐藤さんは、「写真を撮ったり何かしないと、荒浜に来ても思い出が完全に消えてしまう。復興までのつなぎに頑張っている。写真を見ているとこの時良かったな、こういう状態だったなと昔の思い出が出てくる」と話していました。
佐藤さんは津波で自宅を失い、義娘と孫を亡くしました。「荒浜の思い出が消えないため、これからの為に遺して思い出を話せばその方がよいと思う」と語る佐藤さん。
荒浜小は来年3月の工事完了後、夏前に一般公開の見通しとなっており、佐藤さんの写真も展示が検討されています。(ライター:長沢あきこ)