2016年9月27日、次のような写真付きのツイートが投稿され、話題となっている。

写真は、その「うどん屋チェックノート」の表紙と中ページ。中面には、食べたうどんの総評、麺の太さ、出汁の味付けや風味などのチェック項目が見える。可愛いメモ帳だなあ!香川もこんなオシャレなもん出すようになったのかって思って開いたらうどん屋チェックノートだった」というコメントが添えられている。

いったいこれは何だろう?

高松に電話して、話を聞いてみた


「うどん帳」キミドリ表紙(「瀬ト内工芸ズ。」ウェブサイトより)

冒頭のツイートの投稿者は、さらに次のようなツイートも投稿している。

「うどん用語の解説」や「セルフうどん店 初心者の心得」といったページもあるらしい。「さっきのうどんノート、馴染みある人には常識的な事もちゃんと書いてあります(笑)」といったコメントも付いている。

投稿者が「書き込むのがもったいないほどかわいい」と言う、このノート、香川県高松市の「瀬ト内工芸ズ。」が企画開発した商品「うどん帳」である。そこでJタウンネット編集部は高松市に電話して、話を聞いてみることにした。


「うどん帳」中ページ(「瀬ト内工芸ズ。」ウェブサイトより)

電話に出てくれたのは、「瀬ト内工芸ズ。」の村上モリローさん。「瀬ト内工芸ズ。」は香川県立高松工芸高等学校出身者を中心に結成されたクリエイター集団だ。

「うどん帳が生まれたきっかけは、2013年頃、もう3年ほど前のことです。何かおもしろいことやりたいね、と話しているとき、メンバーの一人である、デザイナーの星川雅未さんが提案してくれました」と村上さん。

それが、「自分が食べたうどんをメモして残せるノート=うどん帳」である。うどん県と自称する香川県にもそんなノートはなかった。「あったらおもしろいね」で、片付けられるだけだったろう。「おもしろければ、作ってみよう」と、1000冊だけ作ってみることにした。

表紙は、「瀬戸内の波をイメージしたうどん」。星川さんがデザインし、広告賞などでいくつかの賞を受賞している。中面は、うどんにうるさい香川県民にチェックをしてもらった自信作だ。しかし、地元のうどん店や土産物店に置いてもらったが、売れ行きはイマイチ......。オンライン通販の販売でも、パっとしなかったとのこと。

ところが、冒頭のツイート以来、通販ショップには注文が殺到しているとのこと。「びっくりですね」と村上さん。売れる売れないに関係なく、「おもしろいことをやりたい」一心で作った「うどん帳」。いま、ヒットの気配を見せている。